2015 Fiscal Year Research-status Report
ゼニゴケT-DNA挿入変異体集団を用いたオルガネラ低温定位運動の制御遺伝子探索
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26840088
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
児玉 豊 宇都宮大学, バイオサイエンス教育研究センター, 准教授 (00455213)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 環境応答 / ゼニゴケ / T-DNA / アガートラップ法 / オルガネラ / 低温 / 寒冷定位運動 / 葉緑体運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の当初の実施計画は、昨年度に作出したT-DNA挿入変異体集団から、オルガネラ低温定位運動を消失した変異体の探索と原因遺伝子の同定であった。T-DNA挿入変異体集団探索は、平成26年度に前倒しで実施し、1系統の変異体の単離に成功した。原因遺伝子を同定するために、TAIL-PCRやInverse PCRなどを用いた解析を行った。その結果、複数のT-DNAがゲノムに挿入されていることがわかり、そのひとつが遺伝子のORFに挿入されていることが判明した。現在、遺伝子相補実験を実施中である。また今年度は、新たに作出したEMS処理変異体集団(約10万系統)から変異体探索も行った。その結果、オルガネラ低温定位運動を消失した4系統の変異体の単離に成功した。現在、戻し交配を実施中である。 遺伝子相補実験などを迅速に行うために、ゼニゴケの葉状体を用いた形質転換技術である新しいアガートラップ法(Tsuboyama-Tanaka et al. Plant Biotechnol 2015)を開発した。さらに、原因遺伝子がコードするタンパク質の機能解析のひとつとして、細胞内局在を解析する予定であり、よりクリアな結果を導くために、時間ゲート法による植物イメージング技術を考案した(Kodama PLOS ONE 2016)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画において、変異体探索には、T-DNA挿入変異体集団だけを用いる予定であったが、平成27年度にEMS処理変異体集団も作出し、新たに複数系統の変異体の単離に成功している。また、原因遺伝子の機能解析に向けて、新しい技術開発にも成功している。以上の理由から当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究によって、オルガネラ低温定位運動を消失した1系統のT-DNA挿入変異体および複数系統のEMS処理変異体が単離できており、平成28年度は、これら変異体における原因遺伝子の機能解析を中心に実施する。
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Causes of Carryover |
減額に合わせて予算使用額を変更した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
減額に合わせて予算使用額を変更し、物品費と人件費に使用する予定である。
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Research Products
(13 results)