2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the molecular mechanism and the evolutionary significance in establishment of endosymbiosis
Project/Area Number |
26840119
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
児玉 有紀 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (80582478)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ミドリゾウリムシ / クロレラ / 細胞内共生 / 進化 / トランスクリプトーム解析 / モノクローナル抗体 / ラマン分光法 / 二次共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
繊毛虫のミドリゾウリムシは細胞内に数百個のクロレラを共生させている。ミドリゾウリムシとクロレラは相利共生の関係にあるが、まだそれぞれが単独での生活も可能であるため、細胞内共生研究のモデル材料とされている。 研究では、細胞生物学的および分子生物学的な手法を用いて、ミドリゾウリムシとその共生クロレラの細胞内共生の成立に必須なプロセスの分子機構を解明し、さらに生態学的な手法を用いて、細胞内共生の進化的意義を解明することを目的としている。 今年度は以下を明らかにした。 1) 共生クロレラを持つミドリゾウリムシと、クロレラを除去したミドリゾウリムシ双方のラマンイメージを得ることに初めて成功した。 2) ミドリゾウリムシから単離した直後、単離してから50年以上宿主外で培養し続けたクロレラ、ミドリゾウリムシに再共生直後のクロレラ、共生中のクロレラのそれぞれからRNAを抽出する方法を確立し、ミドリゾウリムシに共生前後のクロレラのトランスクリプトーム解析を行った。 3) ミドリゾウリムシのミトコンドリアに対するモノクローナル抗体による間接蛍光抗体法を使って、共生クロレラとミトコンドリアの位置関係を調べた。その結果、クロレラ除去細胞と比較して、クロレラ共生細胞のミトコンドリア数が減少していることが明らかになった。さらに、共生クロレラは宿主ミトコンドリアと接着している可能性が示唆され、宿主細胞内での共生クロレラの接着の仕組みが初めて明らかになった。
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