2014 Fiscal Year Research-status Report
寄主転換に伴う種分化を促進する隔離障壁の進化機構の解明
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26840120
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
大島 一正 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (50466455)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 種分化 / 寄主転換 / 植食性昆虫 / 交配前隔離 / 隔離機構 / ヒッチハイク効果 / 連鎖解析 / QTL mapping |
Outline of Annual Research Achievements |
クルミレースと交配しにくいネジキレースの地域集団として,形質置換による交尾率の低下が確認されている宮城県仙台市の同所集団(クルミレースとネジキレースが同所的に生息している)を,クルミレースと交配しやすいネジ キレースの地域集団として,ネジキレースのみが生息する愛知県岡崎市の異所集団を選び,ネジキレース内で F2 世代を作成した. また,RAD-seq を用いた詳細な連鎖地図の作成用に,札幌のクルミレースと岡崎のネジキレースを交配して得られた F1 個体に,鹿児島県霧島市のネジキレースを backcross 親として掛け合わせた戻し交雑世代と,山形県山形市のクルミレースを backcross 親として掛け合わせた戻し交雑世代を作成した.これらの雑種世代は,次年度に RAD-seq を行う予定である. これらに加えて,同じレース間で共通の交配前隔離が平行的に進化するかどうかを検証するため,仙台と新見の同所集団のネジキレースどうしの交配実験を行った.その結果,仙台-新見館の交配でも,コントロール(仙台集団内)と有意差なく交配することが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該実験の遂行中に,当研究室が所有する昆虫飼育用の恒温器が故障して実験に一部不都合が生じたが,新規に導入した恒温室等で何とか飼育,交配実験共に行えたため,ほぼ予定通り計画が遂行できた.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに作成した雑種世代の個体からゲノムDNAを抽出し,RAD-seq によるジェのタイピングを行い,連鎖解析と QTL mapping を行う.
同じレース間での交配前隔離の平行的進化の有無をより詳細に検証するため,仙台と新見の同所集団のネジキレースどうしの交配実験の反復数を増やすとともに,岡崎及び霧島の個体を用いた交配実験も行う.
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