2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research on periodical genes in periodical plants by interspecific comparisons
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26840126
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
柿嶋 聡 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 支援研究員 (30648580)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 一斉開花 / 周期植物 / 周期遺伝子 / コダチスズムシソウ / キツネノマゴ科 / 時計遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
周期植物とは2年以上の決まった周期で集団が一斉に開花し、枯死してしまう植物である。周期植物はそれぞれの個体が2年以上の長期間を厳密に測ることで同調的に開花していることから、長期間を正確に測る生物時計システムを持つと考えられる。そこで本研究課題では、6年周期で一斉開花・枯死するコダチスズムシソウ(キツネノマゴ科イセハナビ属)を材料に、6年を測る時計遺伝子(周期遺伝子)を探索することを目的とした。 どのような環境シグナルを用いて正確に長期間を測っているのかを明らかとするため、日長(短日、長日、短日と長日の交互)と気温(低温、高温、低温と高温の交互)を制御した栽培実験を行った。その結果、日長の違いは開花までの時間に影響を与えない一方で、気温が開花までの期間を認識するために重要である可能性が示唆された。この結果は、周期植物において、長期間を測るために重要な環境シグナルを初めて明らかにしたものである。 6年目に開花する形質および1回繁殖性の形質についてQTL解析を行うため、コダチスズムシソウと、毎年開花する複数回繁殖型の近縁種オキナワスズムシソウの交配により得られたF2雑種集団を作成した。これらF2雑種個体のジェノタイピングをRAD-seqを用いて行った。また、6年目より早く開花した個体および枯死個体を記録することによりフェノタイピングを進めた。 発芽から開花までの期間の遺伝子発現変動を追うことにより、周期遺伝子の探索を行った。発芽からの経過年数が異なる栽培個体を用いてサンプリングを行い、RNA-seqによるトランスクリプトーム解析を行った。これまでに、代表個体を用いたRNA-seqデータから、多くの開花関連遺伝子のホモログを検出することに成功した。これらの遺伝子について、開花までの発現変動から、周期遺伝子あるいは周期遺伝子の下流に存在する遺伝子の探索を進めている。
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