2015 Fiscal Year Research-status Report
農耕する川虫-生態系エンジニアによる微生物群集への影響-
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26840146
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡野 淳一 京都大学, 生態学研究センター, 研究員 (20547327)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 微生物群集 / 多様性 / 生態系エンジニア / ニッチ構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
育児のため2015年6月~2016年3月まで補助事業を中断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
トビケラの網上に形成される微生物群集組成の評価のため、遺伝子解析をクローニングライブラリーによって行う予定であった。しかし、26年度は調査地点が台風によって、対象種が激減し、十分なサンプルを得ることができず、本格的な多様性解析には至らなかった。それに加えて、27年どは、育児のため2015年6月~2016年3月まで補助事業を中断したため、ほとんど進展が見られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度、27年度はデータとして目に見える結果を得ることができなかった。しかし、これまでの準備観察からは、トビケラの網がもたらす多様性への影響が当初よりも高いことによって、進展が見られなかった部分もあり、将来の期待ももたらした。すでに、ライブラリークローニングやシングルセルによるプライマリー作成などの微生物群集に対する遺伝子解析の準備は整っている。そこで、今後は、これらの遺伝子解析技術を用いて、トビケラ網の微生物群集の多様性への影響を評価していく。これまで胃内容分析から珪藻が重要な餌起源だと考えられてきたが、それは消化できずに残ったSi殻が残存していることと、固定時に動物性の餌が溶けてしまっていたゆえに過剰評価されていると考えられた。実際に、申請者が固定前のサンプルに対して胃内容分析を行ったところ、クマムシやワムシなどのが確認できた。そこで胃内容の遺伝子解析を行い、トビケラが餌の質を高めるために網を張っているという『農耕仮説』を実証していく。なお研究進展の遅延から、29年度に繰越を予定している。
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Causes of Carryover |
育児により2015年6月から2016年3月まで事業を中断したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度に繰越を予定。
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Research Products
(3 results)