2014 Fiscal Year Research-status Report
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26850019
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
片山 礼子(池上礼子) 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (00549339)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | カキ / 生合成 / プロアントシアニジン / ガレート |
Outline of Annual Research Achievements |
カキ果実の渋み物質であるタンニン(プロアントシアニジン)蓄積と関連してその遺伝子発現が変化するDkDHD/SDH01は、以前の研究結果より大腸菌での相補試験やカキのアンチセンス形質転換体カルスのプロアントシアニジンの分析の結果より、没食子酸の生成やflavan 3-olsのガレートの生成よりもシキミ酸経路におけるシキミ酸の合成に関与すると考えられた。H26年度はカキ果実のESTデータベースをもとにカキ果肉由来cDNAからRACE法により新規DkDHD/SDHを2種類(DHQ,SDH)クローニングした。同時に、未決定であったDkDHD/SDH01のN末端領域を決定して、3種類のDHD/SDHのORFを増幅するプライマーを設計し、それぞれの12クローン以上の全長配列を決定した。系統解析の結果、新規に単離したDHQ,SDHはそれぞれ約85%程度、またDHDSDH01とは65%程度の相同性を持っていた。また、次に、これらのDkDHD/SDHによるBL21 ⊿aroE::KanR (DE3)の相補実験を行った。なお、AroEはSDHにあたる。それぞれの全長DkDHD/SDHを含むコンストラクト(pET3a)で相補試験を行ったところ、DkDHD/SDH01コンストラクトでは弱い活性が見られたが、新規に単離したDkDHQ09およびSDH15では相補せず、SDS-PAGEの結果異所発現したタンパク質のほとんどが不溶化していることが確認された。今後はタグをつけるなどして可溶化したタンパク質を生成させて生成するとともにin vitroでの解析を進める必要がある。幼果、幼葉、カルスでのこれらの遺伝子の発現を調査したところ、DkDHD/SDH01は主に幼果で、DkSDH15は主に幼果とカルスで発現しておりDkDHQ09は発現量が低いことが明らかとなった。今後はこれらの遺伝子の発現を器官別あるいは果実において経時的に調査し、機能推定を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画ではTEMによる組織観察を行なう予定であったが、指導して頂ける先生の体調不良により行なえなかった。また、形質転換体の作製についても予定通りに進まなかったが、新規DHD/SDHの単離とその機能解析を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画とは異なるが、主としてガレートの形成に焦点をあてて、DHD/SDHの機能解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
申請した金額より減額されており、次年度以降の消耗品費が足りなくなる可能性があるため、また、購入を予定していた備品を他研究室より借りることが出来たため、繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品費として使用し、残れば予定していた備品の購入に当てる
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