2015 Fiscal Year Research-status Report
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26850019
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
片山 礼子 (池上礼子) 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (00549339)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プロアントシアニジン / シキミ産生合成 / 没食子酸 / ガレート / カキ |
Outline of Annual Research Achievements |
カキのプロアントシアニジン(PA)蓄積に関連して、没食子酸とPAの構成単位であるflavan 3-olsのガレート形成に関与する遺伝子の単離とその機能同定を目的とし、H26年度には、カキ果実よりシキミ酸生合成経路上の2機能性酵素であるdehydroquinate dehydratase-shikimate dehydrogenase (DHD/SDH)を新たに2つ単離した。本年度はこれら3つの遺伝子がコードする DkDHD/SDH01、DkDHQ09およびDkSDH15について機能解析を進めるために、①カキのおよびタバコへの35sプロモーターを連結したこれらの遺伝子のセンスおよびアンチセンスコンストラクトによる形質転換体の作製、②大腸菌でのタンパク質産生、③カキの器官別あるいは果実において経時的な遺伝子発現解析を進めた。①については、各コンストラクトについて10系統ずつの形質転換体が得られた。②大腸菌でのタンパク質の発現はDkDHDSDH01およびDkDHQ9ついてはタグなしで可溶性のタンパク質を産生することができたが、DkSDH15についてはいくつか検討した宿主では発現できなかった。③カキにおける器官別あるいは果実発達での経時的な発現解析を行ったところ、DkDHD/SDH01が、可溶性フェノール含量の高い幼葉や渋ガキの幼果で高い発現を示すこと、DkDHQ9が渋ガキ幼果のみで発現すること、DkSDH15は果実よりも茎葉で発現が高く、日本および中国の甘ガキ、渋ガキ間での発現パターンに差がないことが明らかとなった。また、ポプラやタバコにおけるDHD/SDHアイソフォームとの系統解析により、DkSDH15とDkDHQ9は本来のシキミ酸経路における一次代謝に、DkDHD/SDH01は二次代謝に関与する可能性が予測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の報告書にも記載したように、組織観察による実験はとりやめている。また、PA生合成に関与すると考えられる遺伝子群のうち、上記DHD/SDHの機能解析にしぼり実験を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のうち、①のin vivo試験において作製した形質転換体のPAの分析、遺伝子発現解析を行なうとともに、タバコのT2世代の表現型の分析等を行なう。②については、DkSDH15について他宿主を用いた発現を検討するとともに、他も2酵素についてはタグをつけたタンパク質を産生して生成し、in vitroアッセイによる酵素の性状解析を進める。③については、PAの組成分析がまだ完了していないため、これを進め機能推定を行う。
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Causes of Carryover |
若干の消耗品費が残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、消耗品費として使用する予定。
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