2014 Fiscal Year Research-status Report
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26850022
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
八木 雅史 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 花き研究所花き研究領域, 主任研究員 (40391403)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | カーネーション / 花型 / 八重咲き / 一重咲き / SSRマーカー / 連鎖解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
カーネーションの八重咲き性を支配する優性のD遺伝子を明らかにするために、系統85-11(八重咲き)×プリティファボーレ(一重咲き)のF2集団を555個体に拡大し、花型の調査ならびに遺伝子型解析を行った。これまでに明らかにしている八重咲き性のD座に連鎖した4つのSSRマーカーの遺伝子型を調査した結果、一重、八重の花型の形質と遺伝子型の分離は認められなかった。このうちCES0212マーカーは、40品種以上の既存の八重咲き品種の遺伝子型解析の結果でも花型と矛盾がなく、カーネーションゲノムデータベース(http://carnation.kazusa.or.jp/)を用いた解析でも、この近傍に花型との関係が示唆される転写因子が含まれていた。今後は、一重咲き、八重咲き品種のCES0212マーカー近傍の塩基配列について、詳細な比較解析を行う予定である。 一方、現在の主要な品種群に存在していると想定している、がく割れや貫生花等の超八重咲きのような奇形花発生を抑制するs因子を明らかにするために、系統85-11(八重)×プリティファボーレ(一重)のF2集団の中からDD--型、DDss型、DDs-型と推定される7系統とDDss型を有すると推定している4品種を用いた42通りの交配を行い、1482粒を得た。次年度以降、これらの実生について花型の形質の評価を行い、八重、超八重の形質の分離を確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
八重咲き性を支配するD遺伝子座については、近傍マーカーを明らかにし、候補遺伝子を選抜することができた。また、奇形花発生を抑制するs因子については、八重、超八重が分離すると期待される集団を作出できた。以上のことから、計画通りに順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
八重咲き性を支配するD遺伝子座について、これまでに選抜した候補遺伝子の一重咲き品種、八重咲き品種の塩基配列を決定する。また、奇形花発生を抑制するs因子については、これまでに作出した実生集団の中から、八重、超八重の花型の形質が分離する集団を選定する。
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Causes of Carryover |
計画では、既存の八重咲き性の連鎖マーカーの中から、解析集団を拡大し、より近傍のマーカーの作出と形質評価を繰り返しながら原因遺伝子に迫ることを想定していたが、ゲノムデータベースを活用することで、候補遺伝子を早期に選定することができた。そのため、次年度に行う高額の費用が必要な高精度塩基配列決定作業にあてる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
八重咲き性を支配するD遺伝子の候補遺伝子について、一重咲き、八重咲き品種の塩基配列を決定し、比較解析を行う。原因遺伝子の可能性が高まれば組換え実験を含めた機能解析を行う。
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