2015 Fiscal Year Research-status Report
小分子RNA型エフェクターを介した宿主-病原微生物相互作用の解明
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26850026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前島 健作 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (20726062)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ファイトプラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
ファイトプラズマ(Candidatus Phytoplasma asteris)はヨコバイ等の昆虫により伝搬され、幅広い植物の篩部細胞内に寄生する病原細菌であり、世界各地の農業生産に大きな被害をもたらしている。これまでに全ゲノム情報解読により、既知の病原性因子(エフェクター。主に分泌タンパク質)のホモログを持たないことが明らかになっている。近年、病徴に関わるエフェクターとしていくつかの分泌タンパク質が報告されているが、感染性に関わるエフェクターは発見されていない。これまでに、細胞内寄生細菌であるファイトプラズマが、従来のタンパク質型エフェクター以外にも、小分子RNA型エフェクターを持ちそれらが植物のRNAサイレンシング系に取り込まれ、撹乱作用を発揮することでファイトプラズマの感染成立に関わる可能性を調べることを目的として、ファイトプラズマゲノム上の転写起点を網羅的に解析し、ゲノム上の様々な位置からRNAが転写されることを予測した。今回、ファイトプラズマに適したRNA-seq技術の開発をおこない、従来の方法と比較してきわめて高効率にファイトプラズマの転写産物を検出することに成功した。その結果、ファイトプラズマのゲノム上のORFの多くから転写産物が検出されるとともに、ORFが存在しないゲノム領域からも多数の転写産物が検出された。いずれもファイトプラズマにおいて初の知見であり、ファイトプラズマの遺伝子および小分子RNA型エフェクターの発現制御の解明に大きく寄与すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでファイトプラズマの転写に関してはほとんど知見がなく、どのような発現制御が行われているのかは不明であった。本研究により、実際の転写産物やその配列を解析することで、ファイトプラズマの転写制御系についてその一端を明らかにし、遺伝子および小分子RNA型エフェクターの発現制御の解明に寄与する知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた転写制御に関する知見を考えると、ゲノム上の多くの部分から遺伝子に加えて小分子RNA型エフェクター候補となるRNAが実際に発現していると考えられる。今後はこれらの配列的特徴と機能に関して解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
高額な消耗品類の購入を次年度に予定しているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該研究費は、基本的には実験のための消耗品の購入に充てる予定である。高額な機器の購入予定はない。
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Research Products
(3 results)