2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26850038
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
阿部 進 近畿大学, 農学部, 講師 (40708898)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生物的鉱物風化 / 生態系改変者 / 土壌動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミミズ、シロアリ、ヤスデなどの土壌生態系改変者は土壌物理環境を改変することで、他の生物への資源供給力に影響を及ぼしている。本研究は、土壌生成の本質である岩石・鉱物の風化への土壌動物の影響を対象としており、「生態系経変者としての無脊椎動物がどの鉱物種に対してどのような風化作用を示すか?」という問いに、基礎的回答を与えることを目的としている。 初年度の研究内容として、とくに熱帯の強風化土壌で優占する土壌中の鉄酸化物に焦点を当て、シロアリの営巣活動による鉄酸化物の循環サイクルと形態変化を明らかにした。シロアリの影響による鉄酸化物の質的な変化は小さいが、土壌下層―表層への鉄酸化物の移動が熱帯圏における土壌生成過程で無視できない影響をもつことを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本国内における研究は当初の計画通り順調に進んでいるが、国外(インドネシア国)における研究は計画よりもやや遅れている。しかし、実施初年度でありながら、研究成果の一部を国際学会において二度発表する機会を得た。とくにWCSSは口頭発表であり、多くの聴衆に研究について聞いてもらうことができた。また、これら成果の一部を取りまとめて、すでに論文原稿1本を投稿(審査中)していることも達成度の客観的な指標となるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
このまま国内における研究を継続するとともに、国外における研究の活性化を図る。とくにマイクロコズム試験を強化して、フィールド調査で得られた知見を理論的に裏付けることを目指したいと思う。
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