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2015 Fiscal Year Research-status Report

フルクトフィリック乳酸菌のハチプロバイオティクスとしての利用

Research Project

Project/Area Number 26850054
Research InstitutionTokyo University of Agriculture

Principal Investigator

遠藤 明仁  東京農業大学, 生物産業学部, 准教授 (90445685)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords養蜂 / プロバイオティクス / 比較ゲノム / 環境適応
Outline of Annual Research Achievements

まずハチ及び花から分離したフルクトフィリック乳酸菌 (FLAB) の抗生物質耐性の再確認を行ったところ、日本で一般的に養蜂に用いられている抗生物質であるミロサマイシンに対して FLAB は耐性を示さなかったものの、欧米で広く用いられており、耐性遺伝子保有菌株の懸念があるオキシテトラサイクリンに対しては、菌株レベルで異なる反応を示し、高濃度でも耐性を示す菌が見られた。そこで耐性遺伝子の検出のためにゲノム解析を行ったところ、オキシテトラサイクリン耐性に関与すると考えられる遺伝子を幾つか見出した。また、得られたゲノム情報とDBより取得したゲノム情報を用いて、 FLAB がどのようにハチ環境に適応したのか、進化の様式について比較ゲノム解析により検討した。その結果、 FLAB は近縁乳酸菌よりも有意にゲノムサイズが小さく、保持している遺伝子数も有意に少ないことが明らかになった。特に、 FLAB は糖代謝関連に用いられる遺伝子数が少なかった。これはハチ消化管というフルクトースが豊富な環境下に生息することで他の糖を代謝する必要がなくなり、不要な糖代謝遺伝子を欠損させたことにより起こった退行的進化によるためであると考えられた。特に、ほぼ全ての生物に共通して利用されるグルコースを代謝するために必要な遺伝子を部分欠損しており、これは本研究で初めて見出された結果である。
また、ハチ成虫は花中に見いだされる幾つかの糖を代謝することができず、そのために死に至るという報告もあることから、ハチ消化管からそのような糖を代謝することができる細菌の分離を試みており、実際にプロバイオティクスとして利用可能な菌株を幾つか分離することに成功した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初予定していた研究はおおむね順調に進展している。一方で、幾つかの実験項目は共同研究者の多忙により、また本研究室での実験が不可能なため、共同研究先を新たに探した。

Strategy for Future Research Activity

今後は実際にハチ成虫または幼虫を用いた試験を行い、FLAB のプロバイオティクス効果を検証する。

Causes of Carryover

当初の予定通り経費を使用したが、前年度にわずかながら残額が生じた。これを今年度の助成金と併せることでより効率的に研究を進めることができると考えたため、次年度使用額として申請した。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度使用額は本年度助成額に対して僅かであるため、使用計画はこれまでと変わらず、消耗品及び旅費とする。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] フルクトフィリック乳酸菌 Lactobacillus kunkeei の比較ゲノム解析から見える乳酸菌の環境適応2016

    • Author(s)
      前野慎太朗、谷沢靖洋、兼崎友、久保田恵理、矢嶋俊介、Seppo Salminen、中川純一、有田正規、遠藤明仁
    • Organizer
      日本農芸化学会2016年度大会
    • Place of Presentation
      札幌
    • Year and Date
      2016-03-27 – 2016-03-30

URL: 

Published: 2017-01-06  

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