2016 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship of carotenoids and fatty acid on the bioavailability
Project/Area Number |
26850076
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
前多 隼人 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (80507731)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | カロテノイド / 脂肪酸 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
食品に含まれるカロテノイドの消化吸収に対する脂肪酸の影響を解明し、カロテノイドの生体利用性を高める脂質を明らかにすることを目的とした研究をおこなった。 (1)フコキサンチン(Fx)の消化吸収における脂肪酸の影響の解明 ヒト小腸上皮細胞様に分化させたCaco-2 細胞に対し、海藻含有カロテノイドであるFxと同量のFxを含む海藻脂質を添加した。その後、細胞内に取り込まれたカロテノイドの蓄積量をHPLCで定量した。その結果、両者に違いは認められなかった。またin vivoでの評価として飼料重量に対して0.01%及び0.02%のFxを含む海藻脂質含有飼料をKK-Ayマウスへ投与し、4週間実験飼育をおこなった。その結果、以前の報告よりも低いFxの投与量にも関わらず、血糖値の低下が認められた。この効果は消化管内の消化の過程におけるFxの分解の抑制によるものではないかと推測し、飼料の人工消化試験をおこなった。その結果、Fx単独の飼料よりも海藻脂質飼料の方がFxの残存率が高いことが明らかとなった。よって食塊中に共存する脂肪酸は、小腸で吸収されるまでの消化の過程でのFxの分解を防ぐ働きがあることが示唆された。 (2)マウス腸管組織でのスカベンジャーレセプタークラスB タイプⅠ(SR-B1)の発現変化 ルテインとともに中鎖脂肪酸油、大豆油、魚油それぞれを投与し3週間飼育したKK-Ayマウスの小腸組織でのSR-B1のmRNAの発現量の変化を測定した。カロテノイドの腸管での吸収に関与するSR-B1の発現に変化がおこることが期待されたが、有意な変化は認められなかった。従って、脂質がカロテノイドの吸収に与える効果は組織に対する効果よりも、腸管内でのミセルの安定性や放出などの物理的な要因によるものが大きいことが推測された。
|
Research Products
(11 results)