2014 Fiscal Year Research-status Report
スギ雄性不稔原因遺伝子の単離-多様な無花粉スギリソース整備に向けて-
Project/Area Number |
26850103
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
坪村 美代子 独立行政法人森林総合研究所, 林木育種センター育種部, 主任研究員 (70415040)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | スギ / 花粉 / 雄性不稔 |
Outline of Annual Research Achievements |
雄性不稔スギ(無花粉スギ)品種「爽春」の原因遺伝子は特定されておらず、花粉症対策品種として使用する際に育種的な改良を行うには古典的な手法を取らざるを得ない。原因遺伝子を特定することができれば、マーカー化することで効率的に育種を行うことができる。本研究では、分子生物学的手法と遺伝解析に基づいて、「爽春」原因遺伝子と特定することが目的である。 爽春の戻し交雑家系を用い、次世代シーケンス(イルミナHi-seq)解析に供した。得られた塩基配列を既知のスギEST情報と照合後、SNP(一塩基置換)解析を行った。また、マイクロアレイにより花粉母細胞期から小胞子期までの4ステージの遺伝子発現プロファイルを作成した。次世代シーケンス解析とマイクロアレイ解析により絞り込んだ遺伝子情報を基に、SNPマーカーを開発、爽春F2マッピングポピュレーション190個体に適用し、連鎖解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は次世代シーケンス、マイクロアレイ解析によりSNPマーカーの開発を行い、連鎖解析を行った。おおむね順調に進展している。遺伝子発現ネットワークは今年度行ったが、候補遺伝子の数が未だ多いために効果的な解析が難しい。今後連鎖解析、アソシエーション解析により絞りこまれた遺伝子について解析を行う予定としている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに検出された近傍のSNPマーカーを、爽春のF1、F2家系に適用して形質と遺伝子型を基にアソシエーション解析を行い、さらにマーカーの絞り込みを行う。絞りこまれたマーカーをスギ精英樹に適用し、潜在的に雄性不稔遺伝子を保有するクローンの探索を行う。
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