2014 Fiscal Year Research-status Report
フードシステムとコミュニティ・ビジネスからみる伝統的農産加工の可能性
Project/Area Number |
26850137
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
神代 英昭 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (60431699)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | フードシステム / コミュニティビジネス / 伝統的農産加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
農産物・食品市場における工業化・国際化の進展と共に、中小・零細農家を中心とした伝統的な農産加工が大規模食品企業を中心とした工業的加工に急速に置き換えられている。この現象は生産者と消費者双方の選択の自由と自主性を奪うとともに、両者の関係を希薄化させている。食と農業や環境の関係が乖離し、食文化、食習慣、調理技術が失われつつある現代において、伝統的農産加工にはそれらを再構築し結び付け直す可能性も秘めている。 本研究の目的は、フードシステム、コミュニティ・ビジネスの2つの視点から、伝統的農産加工の現代的意義を考察することにある。具体的な研究対象として、「こんにゃく」、「大豆加工食品(豆腐・みそ等)」の2品目を選択し、調査・研究している。 1年目の今年度は食品加工の全体像の把握を行うとともに、農産物・食品市場における伝統的農産加工の位置づけを考察した。具体的に言えば、(1)フードシステムの国際化・工業化の進展状況に関する理論研究、聞き取り調査(国内)、(2)伝統的農産加工に関する理論研究、聞き取り調査(国内)を実施した。また2年目に本格的に実施予定のアンケート調査については、過去に実施されたアンケート調査を取り寄せ、フードシステムとコミュニティ・ビジネスの両視点を統合した調査票の設計を試みた。 最後に1年目の具体的な成果を上げると、輸出に取り組むことを契機に伝統的農産加工の新たな可能性を模索している先進事例を調査し、シンポジウムにて報告するとともに論文として投稿した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目に実施予定だったフードシステムの国際化の進展状況に関する聞き取り調査(中国)が政情不安の影響を受け、実施できなかったため。他の先行研究の整理等で補える分はできる限り補ったものの、当初の計画からは少々遅れが見られることとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
海外調査の対象国に関しては、当初予定していた中国以外の国も含めて改めて検討し直し、2年目以降に実施する。
|
Causes of Carryover |
フードシステムの国際化の進展状況に関する聞き取り調査を中国にて実施する予定だったが、政情不安の影響などを受け、実施できなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
中国以外の国も含めて改めて調査対象国を検討し直し、2年目以降に実施する。
|
Research Products
(2 results)