2016 Fiscal Year Annual Research Report
An Analysis of Reputational Damage of Radioactive Contamination on Seafood and its Promotion against it
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26850145
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
若松 宏樹 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 中央水産研究所, 任期付研究員 (90722778)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 風評被害対策 / 水産エコラベル / コンジョイント分析 / 放射能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の目的は、ウェブ調査を実施し、風評被害対策として有効な情報および水産エコラベルの貼付した水産物の需要調査を行い、風評被害対策として成り立つかどうかの頑健性を得ることである。また今年度までに得られた知見を論文にまとめ、学会や学術誌において情報発信に務めることで、得られた成果を広く世間に認知させることであった。 ワカメと同様に風評被害があったとされる宮城産のカキと広島産についてウェブ調査(コンジョイント分析)を実施した結果、情報提供前は広島産のカキの方が高く評価されていたが、「宮城産のカキは毎週放射性物質の検査を行っている」という情報を与えた所、宮城と広島の評価の差が縮まることが判明した。また、持続可能なエコラベル(MSCやASC)を貼付した場合、このラベルは品質とは関係がないと認識していても宮城産のカキの価値が高まることが判明した。また過去の研究からも放射能という言葉自体を使うことによる思い出し効果によって風評被害対策の効果が薄れてしまうという中での、別視点からの風評被害対策として、エコラベルを貼付することによる付加価値の創出が有効であると判明した。 また、学会、研究会にこれまでの成果を発表するとともに、国内外の学術誌へ成果を投稿し、出版され学術的に情報発信を行った。また、投稿したものの、現在査読中のものについては今後発表されるまで改訂作業を行い、受理されなかったものについては他の学術誌に投稿を続け、情報発信を行う予定である。
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