2015 Fiscal Year Research-status Report
内圧載荷法による埋設RC管路の現有耐力評価手法の検討
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26850152
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
兵頭 正浩 鳥取大学, 農学部, 助教 (60611803)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 内面載荷法 / ひび割れ条件 / 環剛性 / 弾性領域 / 不とう性管 / とう性管 / 製造業者 / 載荷・除荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では,ひび割れを付与したRC管に内面載荷法(旧名称:内圧載荷法)を適用した際の,管体挙動について評価した.ひび割れの条件をコントロールするために,電動工具を用いて溝を作製し,その溝をひび割れと模擬した.溝の条件は,深さ,角度,位置(内外面)などを考慮して決定した.また,RC管の製造業者が採取データに与える影響についても基礎的な実験を実施した. 得られた結果を次に示す8つにまとめる. ①内面載荷法は,RC管の内面に発生したひび割れ(溝)を検知できるだけでなく,外面に発生したひび割れ(溝)についても検知できる.②荷重―変形量の傾きは,断面二次モーメントの減少に伴う環剛性の低下から,口径400mmのRC管では鉄筋露出となる20mm深さで剛性低下が生じる.③最大曲げモーメントが発生する0°位置と最小曲げモーメントが発生する90°位置において,荷重ー変形量の関係はおおむね同じ値となる.④内面載荷法の適用により,新たなひび割れが発生することが懸念される.そこで,内面載荷法による載荷時のデータ採取だけでなく,除荷時のデータも採取することで載荷前後の荷重ー変形量の関係を評価できる.⑤内面載荷法は,環剛性を測定する手法であるため,塩ビ管,RC管と両者を区別することなく,弾性領域内であれば評価が可能となる.⑥内面載荷法で採取するデータは,製造業者によって荷重ー変形量の関係が異なる.⑦RC管の軸方向に対して内面載荷法を適用した際の採取データは,接合したRC管のそれと同じ傾向を示す.つまり,実環境を想定した場合においても,管端部の拘束条件を考慮する必要がない.⑧内面載荷装置による載荷速度は,荷重ー変形量の傾きに影響を及ぼす.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では3次元的に実験と解析を進める予定であったが,実際は3次元的な実験に対する研究にとどまっている.この理由は,RC管の製造業者による測定結果の違いが生じることを明らかにしたためである.そのため,内面載荷法により採取したデータの有効性を向上させるためには,製造業者ごとの材料物性を明らかにする必要がある. この他にも,実環境を想定した接合管による実験を実施した.つまり管端部の拘束条件による採取データの影響についても新たに検討したことが,「やや遅れている」となった状態である. しかし,実環境で本手法を適用する際には,これらの項目は検討が必要不可欠であり実用化に向けて大きく前進していることや,大きな遅れはないことから最終年度で当初目標を達成できる見込みである.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策としてのキーワードは次の3つと考える. ①周辺地盤を考慮した3次元解析,②内面載荷法の載荷速度,③RC管の製品業者による影響 最終年度に向けて,周辺地盤を考慮した3次元解析は予定通り実施する.また,内面載荷法の載荷速度は,採取するデータに影響を及ぼす可能性が考えられたことから,載荷速度条件を検討することで安定したデータを得る予定である.最後に,RC管の製造業者から物性値を入手し,その物性値が採取データに及ぼす影響や,採取データのとりまとめ方法について整理する予定である.
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Causes of Carryover |
RC管の外圧試験を,3月に外部機関で行う予定であったが翌年の4月に伸びたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年4月にRC管の外圧試験を実施済
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