2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of optimum drying condition corresponding to characteristics of fruit and vegetables for promotion of sixth sector industrialization
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26850156
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
折笠 貴寛 岩手大学, 農学部, 准教授 (30466007)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 6次産業化 / 遠赤外線乾燥 / 積算温度 / L-アスコルビン酸 / 色彩変化 / 消費電力量 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、キャベツの遠赤外線乾燥において、遠赤外線放射パネル数およびその設置位置を数段階の条件に設定し、試料温度、L-アスコルビン酸含有量、色彩および含水率変化を測定した。積算温度を指標としたL-アスコルビン酸残存率の評価を行うとともに、乾燥過程における消費電力量についても検討し、遠赤外線乾燥条件の違いがキャベツのL-アスコルビン酸、色彩および消費電力量に及ぼす影響について考察した。その結果、(1)L-アスコルビン酸残存率は、アスコルビン酸オキシダーゼ(AO)の至適温度帯における有効積算温度が小さいほど大きくなる傾向がみられ、乾燥過程においてL-アスコルビン酸を保持するためには、試料表面温度がAOの至適温度(35~45℃付近)を避けつつ、50~60℃程度の温度で短時間乾燥させることが効果的であると考えられた。(2)乾燥試料はいずれの乾燥条件においても黄化し、その程度は高温短時間乾燥条件において若干大きくなる傾向が見られた。(3)遠赤外線放射パネルの設置枚数を増やすことで、大幅に乾燥時間は短縮したが、設置位置の違いにより含水率変化に違いは見られなかった。(4)同じ乾燥時間に設定した熱風乾燥に対する消費電力量の削減率は、低温長時間乾燥で約27 %、高温短時間乾燥で約24 %となり、低温長時間乾燥の方が消費電力量の削減効果が大きくなった。 補助事業期間(平成26年~平成29年)の間、乾燥特性、品質変化、環境負荷の観点から6次産業化の推進に必要な各種青果物の最適乾燥条件について検討した。また、乾燥前処理工程としてのブランチングに着目し、品質を最大化するために必要な複数品質の同時評価手法を確立した。本研究で得られた一連の研究成果は、効率的な乾燥条件の決定および高品質な乾燥物の製造に有用であり、6次産業化の展開に大きく貢献する知見が得られたと考えられる。
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