2015 Fiscal Year Research-status Report
数値流体力学を用いた解析による温室の隙間換気の推定
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26850159
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
畔柳 武司 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 西日本農業研究センター・傾斜地園芸研究領域, 主任研究員 (60414778)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シミュレーション / CFD / 施設園芸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,コストのかかる温室の隙間換気測定の代替方法として,数値流体力学を用いた解析から隙間換気の駆動力となる温室内外の圧力を計算し,隙間換気回数を予測することを目的とする。 東西棟のアーチ型プラスチックハウスを対象とし,風上側の防風施設にネットが展張された場合とそうでない場合について,平成26年度より数を増やした計16のケースについて,温室周辺の気流性状を解析した。温室周辺における風速の計算値は,相関係数,標準誤差において実測値とよく一致した。その結果から,温室各面における平均風圧係数のデータセットを抽出し,助走区間流れモデルを応用して温室各面の隙間を通る空気の流入量と流出量を推定し,隙間換気回数を算出した。隙間換気回数の推定値のRMSEは,防風ネットの展張時は0.28,巻上げ時は0.40であり,実測値との相関係数は展張時0.97,巻上げ時0.85であった。推定結果は,巻上げ時,展帳時ともに,外風速が増加するにつれて隙間換気回数が増加する実測値の傾向を良好に再現した。さらに,提案手法の適用範囲を確認するため,既存の東西棟に隣接した位置に新設した同一形状の南北棟のプラスチックハウスにおいて,温室周辺の気流性状の計測とトレーサガス法による隙間換気測定を実施し,数値流体力学解析のためのデータセットを取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数値流体力学による解析事例を蓄積して,隙間換気回数の推定方法の検証を進め,実測値の傾向を良好に再現する段階に到達したことは,おおむね順調に進展している状況にあると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,東西棟と南北棟のプラスチックハウスを対象とした数値流体力学解析を実施し,その計算結果を用いて,温室周辺の気流性状とトレーサガス法による隙間換気の計測結果との比較を進める。
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Causes of Carryover |
発表申込みをした国際会議からの発表採択通知が年度を越えたため,参加費の支払いを次年度に繰り越すことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した研究費は,国際会議の参加費として使用される予定である。
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Research Products
(2 results)