2014 Fiscal Year Research-status Report
バベシア原虫のマダニ中腸内ステージシフトに関わる遺伝子の探索的研究
Project/Area Number |
26850190
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
八田 岳士 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所 細菌・寄生虫研究領域, 主任研究員 (00455304)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Babesia ovata / フタトゲチマダニ / ゲノム解析 / トランスクリプトーム解析 / 人工吸血 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マダニ媒介感染症の一つであるバベシア症において、ベクターステージで病原体の増殖や生存を阻害することが可能な伝播阻止ワクチンの開発を目指し、バベシア病原虫のベクターステージにおける増殖・分化・体内移行などのステージシフトにおいて重要な分子を解明することを目的とし当該補助金による支援のもと行っている。本年度は、牛バベシア病原虫Babesia ovataのゲノムを解析し、バイオインフォマティクス解析によって原虫遺伝子の予測およびアノテーションの付与を行った。さらに赤血球内発育ステージにおけるバベシア原虫のトランスクリプトームを解析し、原虫の先端部小器官であるロプトリーに局在するとされるRAP1等の複数の遺伝子が発現していることが確認された。以上の成果は本研究遂行における重要な基盤情報のため、次年度以降の研究遂行を加速するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は研究期間中シームレスに遂行することを予定しており、初年度の成果として宿主ステージである赤血球寄生ステージでの発現遺伝子についてトランスクリプトーム解析までを終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度ではフタトゲチマダニの人工吸血実験法を応用し、バベシア原虫を人工的に感染させた成ダニの中腸を利用してトランスクリプトーム解析を行う。これにより赤血球寄生ステージでの発現遺伝子リストとの比較Differentially expressed genes解析によって原虫のステージシフトと連関する可能性のある遺伝子について標的を絞り込む予定である。
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