2014 Fiscal Year Research-status Report
関節軟骨再生に対する軟骨膜誘導細胞シートフラップの影響の検討
Project/Area Number |
26850198
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
都築 直 宮崎大学, 農学部, 助教 (60725430)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 関節軟骨 / 再生医療 / 細胞シート |
Outline of Annual Research Achievements |
関節軟骨疾患は獣医療に限らず、ヒトの医療でも大きな問題となっている疾患である。そしてその治療に再生医療の応用が期待されている。関節軟骨の構成成分である硝子軟骨は培養過程で終末分化を引き起こし、最終的にはアポトーシスにいたる。硝子軟骨の維持にはPTHrPの関与が考えられている。軟骨膜はPTHrPを分泌することが報告されているので、軟骨膜誘導した細胞シートは硝子軟骨再生に有用である可能性が考えられる。そこで、本研究では軟骨膜誘導細胞シートの関節軟骨再生に対する有用性を検討することを目的とした。 本研究では大型動物であるウシを用いることとした。ウシはマウス等実験動物と比較して骨格系の大きさがよりヒトに近く、特に膝関節構成骨はヒトのものに大きさが近いため、本研究で得られる知見は獣医領域に限らず、医学領域に対しても有効な知見になると考えられる。しかしながら、ウシ由来の細胞を用いた細胞シートの報告は現状では少ないため、基礎的検討から開始する必要があると考えられた。 本年度はウシ骨髄由来間葉系幹細胞を用いた細胞シートを用い、in vitroならびに屠体を用いた、細胞シートの強度、軟骨膜誘導細胞シートのPTHrPの分泌能の検討を行う予定であった。しかしながら、これまでにヒト等で報告されている手技では細胞シートの作製がうまくいかず、しっかりとした強度を持つ細胞シートの作製が困難であった。そのため、ウシの細胞を用いて細胞シートを作製するには、従来報告されているものとは条件が異なる可能性が考えられた。現在は培養期間、試薬の濃度の調整などを行い、少しずつではあるが、シートの作製が安定してきている状況である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウシ細胞由来の細胞シートの作製が不能であり、昨年度実施するための研究を行うことができなかった。しかしながら、培養条件の見直しにより、細胞シートの作製は安定し始めているため、近々今後の研究を始めることができる見通しである。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討結果を精査し、ウシ細胞由来の細胞シートが安定して作製できる条件をまとめる。細胞シートが安定して作製できる状況が確定したら、研究計画書の計画に則り、研究を進める予定である。
|