2014 Fiscal Year Research-status Report
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26850207
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川端 二功 九州大学, 高等研究院, 助教 (40633342)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 味覚 / ニワトリ / 脂味 / 苦味 |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度の研究により、ニワトリの脂味受容体GPR120および苦味受容体T2R1のクローニングとその機能解析で一定の成果を得ることが出来た。はじめに、2つの味覚受容体遺伝子がニワトリの味蕾が存在する口蓋に発現していることをRT-PCRにより確認した。発現の確認された口蓋よりcDNAを調整し、プラスミドベクターにサブクローニングした。目的の遺伝子が入ったベクターを哺乳類培養細胞(HEK293T細胞)に一過的に強制発現させ、種々の味物質に対する応答をカルシウムイメージング法により解析した。 ニワトリGPR120発現細胞に細胞内カルシウムイオン蛍光指示薬であるFluo4-AMを負荷し、アゴニスト候補である各種脂肪酸を作用させ細胞内カルシウムイオン変化を測定した。その結果、オレイン酸とリノール酸の2種類の脂肪酸がニワトリGPR120のアゴニストであることが同定された。同定した2種類のアゴニストを実際にニワトリが好むかどうかを検証するため、それらのアゴニストを豊富に含むコーン油の嗜好性について調べた。ニワトリは脂肪酸が入っていないミネラルオイルに比べてコーン油を好んで摂取することが確認された。これらの結果より、ニワトリGPR120のアゴニストを含む油脂をニワトリが好む可能性が示唆された。 ニワトリT2R1発現細胞でカルシウムイメージングを行い、デキストロメトルファンおよびジフェニドールの2種類のアゴニストを同定した。また、それらの物質をニワトリが忌避するかどうかを飲水行動試験で検証したところ、T2R1が活性化される濃度の溶液をニワトリが忌避することが明らかとなった。これらの結果より、ニワトリT2R1が苦味受容体として機能している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
味覚受容体のクローニング、味覚受容体の機能解析によるアゴニストの同定、および行動試験による嗜好性の検証まで一貫して実施することができ、ニワトリの脂味および苦味の機能的受容体を2種類同定できたことは当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでにニワトリの脂味および苦味受容体について同定することができたが、今後はその他の味質を受容する味覚受容体のクローニングとその機能解析を進める予定である。カルシウムイメージング法やパッチクランプ法によりクローニングした味覚受容体の新規アゴニストを同定し、それらのアゴニストを実際にニワトリが味質として受容しているかどうかを摂食試験で検証していく。
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Causes of Carryover |
H26年度は消耗品等を安価に納入することができたため予定よりも物品費が低く抑えられた。また、技術補佐員雇用のための人件費も事情により発生しなかったので、それらの分の金額が次年度に持ち越されることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度は人件費も発生するとともに、消耗品等の購入も増えると予想されることから、前年度から持ち越した分を上乗せして使用していく予定である。
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