2015 Fiscal Year Research-status Report
胚体外環境に注目した新たなマウス胚発生アトラスの構築
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26850210
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health |
Principal Investigator |
平松 竜司 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), その他部局等, 研究員 (70555284)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マウス / 着床 / 細胞外基質 / 胚発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまでの遺伝学・分子生物学的解析による胚発生の分子カスケードの知見を踏まえた、新たなマウス胚発生の形態学的アトラスの再構築を試み、未だ理解の進んでいない着床期~発生初期の胚発生の解明や体外胚培養法の確立などにつながる基礎データの獲得を目的とする。母体組織との相互作用によりマウス胚発生がどのように進行するかを空間的にかつ包括的に理解するため、本年度も平成26年度に引き続き、胎齢3~8日までの胎児および子宮組織の連続切片を作成し、HE染色にて組織像の観察を行った。また組織標本作成時の固定方法の標準化や、発生ステージなどを含めた個体差の詳細な検討なども行い、着床過程でどのようにマウス胚及び母体組織が空間的に変化しているかのより正確な把握を試みた。加えて、複数の細胞外基質などの局在や動態を免疫組織化学で解析した。現在、以上の形態学的解析により作成した組織標本により、着床前後を含むマウス胚発生初期の胎児-母体組織の形態変化を立体的・空間的な解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
母体組織を含めたマウス胚の形態標本作成について、固定方法の標準化や、発生ステージなどを含めた個体差を慎重に検討したことなどから、当初想定よりも組織標本の作製や形態学的解析に時間を要している。しかし、本研究目的に沿ったより正確なマウス胚発生の形態変化を把握するためには、詳細な解析が必要であり、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験1)発生初期過程における胚及び母体組織の形態的アトラスの作製 平成26-27年度の組織学的解析を継続して行うほか、より注意深く解析する必要があると推測される部位や、ダイナミックな母体組織の形態変化、胚との融合などが認められた着床前後をさらに詳細に解析を試みる。以上で作成した組織標本について、空間的に視覚化するための3次元画像構築を試みる。 実験2)着床期における細胞外基質の機能の解析 平成26-27年度の免疫組織学的解析により、複数の細胞外基質が特徴的な局在変化を示すことを把握している。これらのノックアウトマウスは着床後に胎生致死となることから、より詳細な局在動態を解析する。
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Causes of Carryover |
母体組織を含めたマウス胚の形態標本作成について、1)固定方法等により作成された標本の状態が異なり、それら方法の標準化が必要であったこと、2)詳細な分析を実施することで、発生ステージなどを含めた骨体差をより慎重に検討する必要があったことなどから、組織標本作成に多くの時間を要し、物品購入等が予定よりも少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度において、3次元画像構築に必要なソフトウエア、複数の免疫組織化学用抗体の購入などを予定している。
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Research Products
(1 results)