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2014 Fiscal Year Research-status Report

ウマを用いた直接転換法による迅速な骨の再生医療の新規基盤技術の確立

Research Project

Project/Area Number 26850213
Research InstitutionAzabu University

Principal Investigator

石原 章和  麻布大学, 獣医学部, 講師 (80707224)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords再生医療 / 骨治癒 / 皮膚線維芽細胞 / ウマ
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、遺伝子導入した皮膚線維芽細胞を局所投与して、生体内環境を利用して骨形成細胞に直接転換させ、簡便に臨床応用できる骨再生医療の基盤技術を確立させることを目的とする。まず馬の皮膚組織から皮膚線維芽細胞の分離を行った。生検パンチで採取した皮膚片から、真皮組織を分離して、二時間にわたるコラゲナーゼ酵素への攪拌浸透をすることで、多数の皮膚線維芽細胞を抽出した。このような細胞の抽出方法は、骨髄液や脂肪組織から行う細胞の抽出に比較して、手技的に簡易であり、侵襲性が非常に少ないことから、広範な臨床応用への意義が高いと考えられる。
次に、これらの皮膚線維芽細胞をフローサイトメトリーにて解析した結果、間葉系幹細胞と同様に、CD90陽性およびMHCII陰性の特徴を示し、高い分化能を有する前駆細胞を特異的に選別できることが示された。またこのようにして選別された皮膚線維芽細胞は、非常に優れた細胞増殖能を有している事が確認され、これまで再生医療に使われてきた骨髄幹細胞と比べて、極めて短期間で多数の治療用細胞を増殖できることが示唆された。この事から、この皮膚線維芽細胞を用いることで、骨組織の再生医療を、多数の細胞の局所注射によって実施できることが示唆された。
そして、皮膚線維芽細胞に対するアデノウイルスベクターを用いた遺伝子導入では、良好なマーカー蛍光遺伝子の発現が認められ、このベクターによる細胞の遺伝子受容性が確認された。また、複数のベクター濃度を比較したところ、200MOI(=細胞ひとつ当たりに200感染単位のベクターを作用させる)において遺伝子発現が有意に優れており、その際の、細胞生存性の低下は軽度に留まることが示された。このため、200MOIのベクター濃度を用いて治療用遺伝子を導入することで、皮膚線維芽細胞の死滅を引き起こすことなく、骨形成細胞への分化を誘導できることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

理由:当初の予定通り、分化能を持つ皮膚線維芽細胞の選別法の設定(工程表のA)、および、即時的な遺伝子導入法の条件設定(工程表のB)をほぼ完了しているため。

Strategy for Future Research Activity

本研究では、これまでに判明した遺伝子導入に適した条件を用いながら、生体内環境を利用して骨形成細胞に直接転換させて、骨治癒を促進させる手法を確立させる。しかし、当初予定していた、遺伝子導入させた細胞の局所注射は、組み換え遺伝子実験を馬という大動物を使って行うことが研究施設内において難しいため、InVitroにて骨組織の生成を達成できることを証明することで代替する事とする。この際には、RT-PCRによる骨系遺伝子の活性化だけでなく、細胞組織学的な石灰化およびミネラル化の発現を確認することで、In Vivoでも同様な治療作用を誘導できることを包括的に立証することとする。
その次の段階としては、馬の骨治癒モデルを用いた動物実験によって、迅速な再生療法によって骨治癒を加速させる手法を確立させる。このためには、フローサイトメトリー法によって選別した皮膚線維芽細胞を、ウマの肋骨のドリル孔および副管骨の骨切術部に局所投与して、6週間にわたって画像検査を行う。そして、投与の6週間後には、外科的に摘出した肋骨と副管骨に対して、物理的強度検査、組織学的検査、骨化速度解析などを実施して、骨再生の度合いを定量的に評価する事とする。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じたのは、初年度のIn Vitro実験で使用した培養液や抗体などを、併行して実施している他の共同研究の費用で購入したもので転用できたためである。

Expenditure Plan for Carryover Budget

この分の研究費は、次年度で実施する遺伝子解析や組織学的解析、および、動物実験に際して、解析する遺伝子数や検体数を増加させることに当て、より包括的な治療効果の評価につなげる事とする。

URL: 

Published: 2016-06-01  

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