2015 Fiscal Year Research-status Report
新規分子蛍光センサーを用いた昆虫ホルモン運搬機構の解明
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26850216
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
菊田 真吾 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (90718686)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | FRET |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昆虫ホルモンバイオセンサーの改良を行った。具体的には細胞膜外及び内側への局在化のためのリンカー配列を人工的に付加し、その蛍光局在を調べた。デザインした通りの細胞膜内外それぞれの局在化したセンサーの発現が可能であった。しかし、細胞膜の限局した領域のみでのFRET検出はされなかった。問題としては、画像取得時の範囲が細胞全体であったために得られるシグナル値の低下が考えられた。一方、高倍率条件下においては焦点深度の不安定性が課題として挙げられた。本研究と平行して、安定した細胞動態イメージング手法の開発にも着手した。カチオン性ポリマーを用いた細胞接着性の向上により、その安定性が高められた。こちらの手法については論文投稿中である。また昆虫生体へのセンサー一過発現系として、in vivoエレクトロポレーション装置を作製した。カイコ幼虫へのGFP蛍光も確認できたことから、装置の稼働状況は問題ない。現在のところ、組織特異性をもたらすエンハンサー・プロモーターを持ち合わせていないため、標的組織内へ輸送された昆虫ホルモンの挙動を捉えるには至っていないが、次年度には達成できるものと考えられる。申請書にも記載した通り、FRETセンサーの蛍光強度が弱かったため、昆虫体外からのホルモン検出には至っていない。この結果も踏まえ、次年度はセンサーの蛍光タンパクがより明るいタイプへの変更も検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昆虫生体への一過的な遺伝子発現ができ、申請書記載事項(当該年度分)は達成されたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究実績の概要で記載した通り、センサーの不可逆性が生体内の分子動態を捉える上で障壁となると考えている。初年度から引き続き、センサーの精度を維持したまま改良を試みているが未だ達成されておらず、今後の推進すべき課題として挙げる。
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Causes of Carryover |
研究遂行内容を一部変更し、当初予定していた必要消耗品の購入を延長したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品(遺伝子工学用試薬及び細胞培養試薬)、分析機器の購入に充てる
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Research Products
(6 results)