2016 Fiscal Year Annual Research Report
Predictive foraging strategy based on various information in the honeybee
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26850219
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
原野 健一 玉川大学, 学術研究所, 准教授 (80459297)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 採餌行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度には、花粉採餌蜂が花蜜採餌蜂よりも高濃度の蜜を持って出巣することの意義を明らかにするための実験を行なった。作業仮説として、花粉採餌成功を高めるためには、高濃度の出巣蜜が必要であるという仮説を立て、実験的に花粉採餌蜂の出巣蜜濃度を低下させた場合の採餌成功を測定した。まず、30%ショ糖液を巣門から1.5時間給餌しつつけることで、花粉採餌蜂の出巣蜜濃度を通常の約60%から約45%へと低下させられることを確認した。続いて、この場合には、採餌蜂が持ち帰る花粉団子の乾重量が有意に減少し、コロニー全体の花粉獲得量は、無給餌区に比べ、約35%減少することを明らかにした。また、出巣蜜の濃度と花粉団子サイズには正の相関が見られた。この相関は、30%ショ糖液給餌区および無給餌区の両方で確認された。この相関の存在は、30%ショ糖液給餌時にみられる花粉採餌成功の低下が、単に給餌の影響ではなく、採餌蜂が低濃度糖液を出巣蜜として利用していたためであることを示している。これらの結果は、仮説を支持しており、高濃度出巣蜜は、多量の花粉を持ち帰るために必要であると考えられた。 また、出巣蜜濃度への経験の影響を明らかにするため、尻振りダンス蜂とダンス追従蜂の出巣蜜濃度を比較した。その結果、ダンス追従蜂の出巣蜜濃度がダンス蜂に比べ、有意に高いことを明らかにした。尻振りダンスによって伝達される情報には、多くの誤差が含まれるため、ダンス追従蜂は、高濃度の燃料蜜を使うことで、保持するエネルギー量を増加させ、餌場にたどり着く確率を高めていると考えられた。
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