2014 Fiscal Year Research-status Report
アジア大都市郊外における都市農村生物資源循環をうながす緑地環境計画
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26850221
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
原 祐二 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (30422455)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 緑地 / 堺市 / バイオマス / 生態系サービス / バンコク / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
堺市の事例研究では、主に以下3点を達成した。 ・高解像度衛星画像と土地利用データベースを重ね合わせ、市域広域で街区レベルの緑被率を算出し、用途地域とも照合しながら詳細な現地調査を行う住宅区域を抽出した。現地では訪問配付・留置自記式にて、各住宅敷地内の緑(庭の樹木草本・生垣)の管理コストおよび所有意思などについて計8枚のアンケートを実施、337部中112部の回答を得た。さらには、各訪問宅前の緑被率も計測した。現在までに回答者属性・コスト・所有意思と緑被率・緑視率の相互関係について、おおまかな分析を終えている。今後より精緻な統計分析を進め、結果を投稿し、堺市の住宅地緑量・維持コストの原単位情報として活用していく。 ・堺市が実施している家庭厨芥のコンポスト化事業に着目し、現地講習会に参加するとともに、モニタリング世帯へのコンポスト生成量や意識に関するアンケート調査原票の提供をいただき、現在までにデジタルデータベース化を完了した。今後この内容の分析を進め、堆肥化ポテンシャルの原単位を居住地や住宅タイプ毎に推定していく。 ・堺市の各部署へ緑化施策に関するインタビュー調査を継続的に行い、新規的に取り組んでいる工場緑地の不足分を郊外の里山バイオマス管理に代用基金として流す制度に注目した。この制度を活用した場合、どの程度の緑地が保全されるのか、オンサイトおよびオフサイトの緑被率・緑量調査を行い推定した。今後は里山からの生物資源の利用先の検討、制度全体のポテンシャル評価を進め、市域で生物資源の循環効率が高まるシナリオを考究していく。 バンコクでも継続的に現地調査を行った。具体的にはすでに生物資源循環について検討してきた郊外地区を対象に、農地の洪水涵養機能・各土地利用の管理状況と生物資源に関するインタビュー調査、シロスキハシコウを指標種とした都市農村湿地モザイクの生態系サービス調査を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は3名の修論生の協力を得て、堺市およびバンコクの研究を重点的に進めることができた。特に堺市に関しては、本務地からのアクセス性を活かし、人的エフォートが要求される留置アンケート調査を完遂できた意義は大きい。さらには、今回の研究実績には記載していないが、農地に関しても登記簿を大量に取得して所有と利用強度の関係分析を卒論としてまとめることができた。むろん今後より高次の分析を行う必要はあるが、研究事業で重要な現場情報の整備はクリアできた。一方で、他の事例都市については、関連既往文献・統計データの収集整理の段階であることから、研究事業全体としての達成度はおおむね順調との評価が適切だと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは堺市のデータ解析を進め、生物資源循環シナリオについて地理情報システムを援用して視覚化していく。特に定量的な窒素バランスなどについては、現行の堺市のモデル事業なども参考に、校区単位での分析を考えている。すでに校区地理データはそろえてきており、堺市からコンポスト成分分析の協力も得られる見込みである。 バンコクについても現地協力研究者と緻密に打合せながら、生物資源循環シナリオに止まらず、より高次の生態系サービス保全シナリオについて、これまでの結果をもとに複数検討していきたい。 他都市に関しては、天津市については1km解像度での野菜需給バランスについては、現地協力研究者がすでにデータベースを構築、共有している段階であり、これを活用して空間分析を試行していく。インドについては協同予定研究者の異動など現地調査体制が不透明な情勢であるが、基礎資料の収集と並行して現地調査の可能性を継続的に探っていく。
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Causes of Carryover |
おおむね予定通りに執行している。少額残っているが、主に人件費の使用額が少ないためである。バンコク現地調査時に、現地協力研究者の申し出により、協力学生への謝金が先方裁量で先方持ちで対処される場合があった。長年の信頼関係により共同研究を継続してきている証左ともいえる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後海外現地調査で現地協力学生謝金として計画的に適正支出していく。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] The resilience of traditional rice-dominated agricultural communities to precipitation variability in the North China Plain2015
Author(s)
Zhou, D., Aoyagi, M., Okayasu, T., Mastuda, H., Hara, Y., Okuro, T. and Takeuchi, K.
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Journal Title
Climate Research
Volume: 62
Pages: 149-161
DOI
Peer Reviewed
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