2015 Fiscal Year Research-status Report
アブシジン酸誘導気孔閉口に関与するカルシウムイオンチャネルの機能解析
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26850233
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宗正 晋太郎 岡山大学, その他の研究科, 助教 (20641442)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 気孔 / 孔辺細胞 / イオンチャネル / カルシウム / シロイヌナズナ / アブシジン酸 / シグナル伝達 / 環境ストレス応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
高等植物の葉の表皮に存在する気孔は、一対の孔辺細胞から形成された小孔であり、ガス効果や蒸散による水分放出の制御を行う。乾燥ストレス下で合成される植物ホルモンであるアブシジン酸(ABA)は、気孔閉口を誘導し、過度の蒸散を抑制する働きを持つ。孔辺細胞におけるABAシグナル伝達には、カルシウムイオンがセカンドメッセンジャーとして機能することが古くから知られている。 本年度は、孔辺細胞のABAシグナル伝達において、カルシウムイオン濃度上昇を認識し、気孔閉口に必須のイオンチャネルSLAC1の活性化を行うカルシウムイオンセンサータンパク質である4つのカルシウム依存性タンパク質リン酸化酵素CPK5, CPK6, CPK11, CPK23を同定した(Brandt, Munemasa et al., eLife 2015)。また孔辺細胞においてABAシグナルの負の制御因子であるタンパク質脱リン酸化酵素PP2Cが、ABAシグナル伝達の制御のみならず、刺激特異的カルシウムシグナル解読機構の制御に関与することを明らかにした(Brandt, Munemasa et al., eLife 2015)。 孔辺細胞に高発現するカルシウムイオンチャネルGCC1が、ABAに応答した孔辺細胞カルシウムイオン濃度上昇に関与するか否かを明らかにするために、カルシウム指示蛍光タンパク質イエローカメレオンを発現させたGCC1遺伝子破壊変異体を用いてカルシウムイメージングを行ったが不首尾であった。現在、カルシウムイオンに対するアフィニティーが異なる指示蛍光タンパク質を導入した組み換え植物体の作成を行っている。また、ホールセルパッチクランプ法を用いたGCC1の機能解析によって、GCC1はABAに応答したSLAC1活性化に関与することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カルシウムイオンとそのセンサータンパク質CPKを介したABAによる気孔閉口誘導メカニズムの分子基盤を明らかにした。GCC1によるSLAC1活性制御メカニズムを明らかにした。カルシウムイメージング実験は不首尾であったが、様々なタイプのカルシウム指示蛍光タンパク質を発現する組換え体を作成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
カルシウムイオンに対するアフィニティーの異なるカルシウム指示蛍光タンパク質を導入した植物体を用いてイメージング実験を再度行う予定である。また、ホールセルパッチクランプ法を用いて、孔辺細胞原形質膜におけるGCC1の機能解析を引き続き進める。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Identification of Open Stomata1-Interacting Proteins Reveals Interactions with Sucrose Non-fermenting1-Related Protein Kinases2 and with Type 2A Protein Phosphatases That Function in Abscisic Acid Responses2015
Author(s)
Rainer Waadt, Bianca Manalansan, Navin Rauniyar, Shintaro Munemasa, Matthew A Booker, Benjamin Brandt, Christian Waadt, Dmitri A Nusinow, Steve A Kay, Hans-Henning Kunz, Karin Schumacher, Alison DeLong, John R Yates, Julian I Schroeder
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Journal Title
Plant Physiology
Volume: 169
Pages: 760-779
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Calcium specificity signaling mechanisms in abscisic acid signal transduction in Arabidopsis guard cells2015
Author(s)
Benjamin Brandt, Shintaro Munemasa, Cun Wang, Desiree Nguyen, Taiming Yong, Paul G Yang, Elly Poretsky, Thomas F Belknap, Rainer Waadt, Fernando Aleman, Julian I Schroeder
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Journal Title
Elife
Volume: 4
Pages: e03599
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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