2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26860014
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山越 博幸 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (30596599)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スピロリド類 / ジスピロケタール / テザー / 渡環型反応 / モレキュラーシーブ |
Outline of Annual Research Achievements |
海洋産アルカロイドスピロリドDの初の全合成を目指し、[6,5,5]-ジスピロケタール環部の立体選択的構築を行った。
はじめに環化反応の基質となる大員環化合物の調製を行った。1,3-ジチアンを出発原料として9工程で合成したメチルケトンに対し、別途調製したアルデヒドを用いてアルドール反応を行うことで、C12-C24に相当するカップリング生成物を得た。続いて、Roskampらの方法を用いたケトエステル部の構築など9工程の変換を行ってジエンを合成した。得られたジエンに対して第二世代Grubbs触媒存在下、閉環メタセシスを行ってマクロラクトンを構築した後、3工程の変換により環化前駆体となるヒドロキシトリケトンの調製を完了した。ジスピロケタール化を検討した結果、モレキュラーシーブ5Aを用いた場合に環化生成物が高収率で得られることを見出した。また、望みの立体化学を持つ異性体は熱力学支配生成物であることが明らかとなり、環化生成物を酸性条件下で異性化することで、目的とするジスピロケタールを立体選択的に合成することに成功した。次に、テザー部が環化反応に与える影響を明らかにするため、大員環を持たない基質を調製して環化と酸性条件下の異性化を試みた。結果、予想に反して望みとする異性体が主生成物として得られることがわかった。得られた生成物のベンジルエーテルを加水素分解した後、二重結合の立体選択的還元、大平-Bestmann試薬を用いたアルキン部の導入を含む7工程の変換を行うことで、スピロリドDのBCD環フラグメントの合成を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本化合物を合成する上で最大の課題である[6,5,5]-ジスピロケタール環部の立体選択的構築に成功し、BCD環フラグメントを合成することができた。しかし、E環フラグメントの合成については未だ検討の途上である。
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Strategy for Future Research Activity |
エキソ選択的Diels-Alder反応を用いたE環の構築について検討し、E環フラグメントを立体選択的に合成する。BCD環フラグメントとのカップリングを経て、スピロリドDの合成を達成する。
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Research Products
(4 results)