2015 Fiscal Year Annual Research Report
神経毒性アミロイドβ凝集体構造決定と分子間相互作用解析
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26860020
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
池田 恵介 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 助教 (00553281)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アミロイド / 脂質膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
脂質膜に結合したアミロイドβ集合体の構造解析をおこなうため、Aβが膜に結合・構造変化する条件の検討をおこなった。これまでにAβとの相互作用が報告されている脂質膜系(負電荷を持つ脂質膜またはゲル相の脂質膜)を用いて、Aβの脂質膜への結合、分子構造変化、および凝集体形成を評価した。蛍光法を用いてAβ―脂質膜間結合を評価したところ、粒径30 nm程度の小さい脂質二分子膜ベシクル(膜曲率が高い)に対して、Aβの結合性が増大することが明らかとなった。また、膜上でAβはαヘリックスおよびβシート構造を形成することがCDスペクトル測定により明らかとなった。チオフラビンT蛍光測定および透過型電子顕微鏡観察によるアミロイド線維形成の評価から、膜上でのAβ密度が高い条件で線維形成が促進されることがわかった。この凝集体形成には、15 μMのAβで1-2週間程度かかることが明らかとなった。膜上でのAβ構造を明らかにするため、蛍光消光法とアミノ酸変異を組み合わせた解析をおこなったところ、脂質膜環境が異なると、膜結合Aβのアミノ酸配列上でのαヘリックス形成部位が異なっていることが示唆される結果が得られた。以上より、脂質膜の曲率が高くなることで、アミロイドβの膜結合、構造変化、線維形成が誘導されることが明らかとなるとともに、膜結合Aβの構造情報を得ることができた。
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Research Products
(3 results)