2014 Fiscal Year Research-status Report
多足型DNA構造体を基盤とするデンドリマー型ナノDDSの開発
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26860021
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
毛利 浩太 摂南大学, 薬学部, 助教 (30723697)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | DNA assembly / dendritic structure / CpG motif / macrophage / innate immunity |
Outline of Annual Research Achievements |
デンドリマー型DNA(DL-DNA)は、免疫細胞への効率的なデリバリーシステムであるとともに、免疫細胞の活性化にも非常に優れたシステムである。しかしながら、既存のDL-DNAの作製法では、多足型構造を形成するDNA(polypod-like structured DNA; polypodna)同士の連結にDNAリガーゼを用いており、最終産物にDNAリガーゼが残存することによる安全性や抗原性の問題が懸念される。本研究では、酵素反応を用いないDL-DNAの作製法を見出し、安全性の高い立体化核酸DDSの開発を目指した。5末端に12塩基の接着性の突出末端を付与したpolypodnaを構築し、接着性突出末端を介してpolypodna同士が連結することで作製可能なDL-DNAを設計した。まず、pod数が3のpolypodna(tripodna)を用いて第1~3世代のDL-DNAの作製を試みた。電気泳動法の結果から、第1世代のDL-DNAの形成は確認できたものの、第2、3世代のDL-DNAの形成効率は非常に低かった。そこで、新たにpod数が3~6のpolypodnaを用いて種々の第1世代DL-DNAを作製した。原子間力顕微鏡を用いてその構造を確認したところ、設計通りのデンドリマー構造を有するDNA構造体が確認され、生理条件において単純な熱制御のみでデンドリマー型DNA調製可能であることが明らかとなった。次に、蛍光標識を施したデンドリマー型DNAを用いてマクロファージ様細胞株RAW264.7との相互作用について検討した。その結果、核としてpod数が6のpolypodna(hexapodna)、殻としてtripodna構造を有するDL-DNAが最も効率的にRAW264.7細胞に取り込まれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた、酵素反応を必要としないデンドリマー型DNAの設計と最適化、デンドリマー型DNAの細胞との相互作用に関する評価は、おおよそ完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度以降には、デンドリマー型DNAの生体応用を進めるとともに、免疫アジュバントとしての有用性を当初の予定通り評価する。CpG DNAをはじめとする種々の核酸医薬を組み込んだシステムを構築するとともに、各種評価系を用いることでその有用性を検証する。
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Research Products
(4 results)