2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Novel Dry siRNA Powders for Inhalation Based on Spontaneous Lipid Nanoparticle Constitution in Lung
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26860029
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
奥田 知将 名城大学, 薬学部, 助教 (20513857)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自己組織化ナノ粒子 / 吸入粉末剤 / siRNA / 粒子設計 / 核酸デリバリー / 噴霧急速凍結乾燥法 / 多孔性微粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度には、siRNA/脂質粉末微粒子製造時の試料溶液について、①試料濃度、②試料溶媒である水とtert-ブチルアルコール (TBA)の混合比、③ナノ粒子成分の含量が及ぼす粉末微粒子の粉体物性および溶解後に形成するsiRNA/脂質ナノ粒子の物性・機能への影響を検証した。また、新たにpH応答性と非応答性のカチオン性脂質を組み合わせて製造したin vitro遺伝子発現抑制活性に優れるsiRNA/脂質粉末微粒子について、マウス肺内投与後のin vivo遺伝子発現抑制効果を評価した。 試料濃度の影響について、より低濃度の試料溶液から製造した粉末微粒子の方が球形から崩れた形状を有し、分散性が高く、また粒子径が小さく均一なナノ粒子を形成する傾向が見られたのに、ナノ粒子の機能には大きな違いが認められなかった。水とTBAの混合比の影響について、水/TBA = 8/1 (v/v)の条件で製造した粉末微粒子において、粒子径が最も小さく均一なナノ粒子を形成することが示されたが、粉末微粒子の形状・分散性およびナノ粒子の機能には大きな違いが認められなかった。ナノ粒子成分の含量の影響について、低含量の粉末微粒子の方が肺送達性が高い傾向が見られたが、粉末微粒子の形状およびナノ粒子の物性・機能には大きな違いが認められなかった。 ルシフェラーゼ安定発現癌細胞の尾静脈内投与により樹立した肺転移癌モデルマウスにおいて、ルシフェラーゼに特異的なsiRNAを含む粉末微粒子の肺内投与群では、siRNAを含まないコントロール粉末微粒子投与群と比べて投与後3・4日目に肺内発光強度の増加が抑制された。この結果は、siRNAとして1 μgの少ない投与量で認められ、またルシフェラーゼに非特異的なsiRNAを含む粉末微粒子の肺内投与群では見られなかったことから、強力かつ配列特異的なin vivo遺伝子発現抑制効果が示唆された。
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