2015 Fiscal Year Research-status Report
ncRNA等に着目した神経難病GM2蓄積症 新規発症機構への包括的アプローチ
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26860037
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
幾尾 真理子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 特任助教 (60713401)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | GM2蓄積症 / 中枢神経疾患 / 炎症 / 免疫 / 糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、GM2ガングリオシド蓄積症発症機構の解明を目的としている。 末端糖鎖構造分解酵素βヘキソサミニダーゼ関連遺伝子変異に起因するGM2蓄積症において、基質GM2及び末端GlcNAc含有糖鎖の蓄積が中枢神経の変性や個体死を導く機構は不明である。本疾患に対する治療法開発のため発症機構の解明が求められている。 これまでGM2蓄積症モデルマウスの脳において発現が変動する因子や経路について検討し、蓄積基質である糖鎖と免疫活性化の双方に関わる因子Xの発現上昇を見出した。またこの因子Xを産生する細胞Aを同定した。この細胞Aは免疫にかかわる細胞であり、GM2蓄積症モデルマウス由来細胞Aのサイトカインの発現は上昇している。 そこで本年度は、遺伝学的検討を行い、細胞Aにおいて因子Xの発現上昇が高サイトカイン発現を導くか検討することにした。細胞Aに対する遺伝子導入法についてまず検討した。リポフェクション法を用いたプラスミドやsiRNAの導入は困難であったため、レンチウイルスシステムを用いて因子X発現コンストラクトを細胞Aに導入した。遺伝子導入による影響について検討するため、EGFP発現コンストラクト導入細胞Aと未導入細胞Aのサイトカイン発現能について比較したところ、EGFP発現コンストラクト導入細胞においてサイトカイン発現が亢進していた。この結果から細胞Aにおける遺伝学的解析は困難であると判断し、検討を中断した。因子Xは液性因子である。そこで組換え因子Xを調製し、これを細胞Aの培養系に添加したときに細胞Aの表現型が変化するか検討することにした。Chinese Hamster Ovary Cellに上記の発現ベクターを導入し、培養上清からアフィニティーカラムを用いて組換え因子Xを調製した。組換え因子Xの活性を確認することができた。今後本組換え因子Xに対する細胞Aの応答性について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、注目する因子Xの遺伝学的解析を行う予定であったが、当該細胞に対する遺伝子導入における技術的な問題が判明したため、これを行うことができなかった。このため本年度は因子Xに対する細胞の応答性について検討できなかった。因子Xが分泌性の因子であることから、組換え因子Xを調製しこれに対する細胞の応答性について検討することとした。本年度の検討の結果、活性を有する因子Xの調製法の確立に成功した。来年度はこれを用いた検討を遂行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究において注目する因子Xの組換えタンパク質を調製することができたことから、これを用いて細胞の応答性について検討する予定である。
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