2017 Fiscal Year Annual Research Report
Research to secure resources of KASSEKI
Project/Area Number |
26860064
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
三宅 克典 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (20597687)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 滑石 |
Outline of Annual Research Achievements |
防風通聖散、猪苓湯などに配剤される生薬カッセキは、年間200トンあまりが消費される重要な生薬であるが、その供給を100%中国に依存している。本研究ではカッセキの資源確保ならびに品質評価法の確立を目的として、フィールドワーク並びに分光法による分析を行った。日本で用いられるカッセキは主としてハロイサイトと石英で構成されており、ハロイサイトはかつて日本国内でも産し、レンガや便器などに加工されていた。各種文献・本草書の情報を元に、群馬県嬬恋村、島根県大田市、および山口県山口市において現地調査を行いサンプルを収集した。加えて、中国流通品との比較のため中国広州市の市場で調査を行った。過去の収集品、並びに現在の日本流通品と合わせて、煎液による品質評価法の検討を行った。サンプルを粉砕し、一部は粉末X線回折(XRD)で鉱物組成を検討し、残りは、煎出後、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-OES)とイオンクロマトグラフィーの測定を行なった。結果、中国市場品は煎液からMgを検出したのに対し日本流通品は認めなかった。中国ではタルク(日本の鉱物名は滑石)を生薬滑石として用いるため、タルクや類似鉱物のドロマイトなどに由来するMgを検出したものと考えられる。日本で用いられるカッセキは、煎液からほとんど元素イオンが検出されなかったため、カッセキの薬効はカッセキそのものから抽出されるものではなく、他の生薬との相互作用により生じている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)