2014 Fiscal Year Research-status Report
c-mybグアニン四重鎖を標的とするがん幹細胞増殖抑制活性化合物の創製研究
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26860077
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
飯田 圭介 埼玉大学, 理工学研究科, 研究支援者 (70719773)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | グアニン四重鎖 / ケミカルバイオロジー / がん幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、c-myb G4と特異的に結合することで、がん幹細胞に対し細胞増殖抑制活性を有するG4リガンドの取得を目的としている。本年度は、c-myb G4への特異性を高めるため、6OTDへの新たな側鎖導入を検討した。その結果、6OTD骨格へ新たに二つの側鎖を導入した誘導体の合成法を確立することができた。現在、新たな側鎖へ、c-myb G4を特異的に認識するための官能基導入を種々検討している。また、がん幹細胞に対し細胞増殖抑制活性を示す誘導体の探索についても検討した。その結果、6OTDのうち、チロシン由来の側鎖を有する誘導体が神経膠腫幹細胞に対し、高い細胞増殖抑制活性を示すことが見出された。当該誘導体は、リードとなったテロメスタチンと同様、G4を選択的に安定化することがFRET融解実験により確認された。さらに、当該誘導体の神経膠腫幹細胞に対する作用機序を検討したところ、細胞内でのDNA損傷応答、ならびにアポトーシス誘導が確認された。現在、当該誘導体の作用機序について、更なる検討を行うとともに、新規に合成した誘導体のG4安定化能、G4間選択性、神経膠腫幹細胞に対する細胞増殖抑制活性についても評価していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、c-myb G4を特異的に安定化する低分子化合物(c-myb G4リガンド)の創製に関しては、新規誘導体の合成法確立を行うことが出来た。また、c-myb G4リガンドのCSCに対する増殖抑制活性の評価と作用機序解析についても、有望化合物を取得し、作用機序の解明も開始している。そのため、次年度計画への基盤を予定通り行うことが出来ると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り、本年度に得られたc-myb G4リガンドのc-myb G4との結合様式を明らかにし、これをもとに、さらにc-myb G4を特異的に安定化するリガンドを創製する。また本年度得られた有望化合物関し、更なる作用機序解明のための評価を行うとともに、神経膠腫幹細胞を移植したモデルマウスに対する抗がん効果を評価する。
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Causes of Carryover |
本年度は、6OTDの新規骨格の合成法確立と、有望化合物のがん幹細胞に対する評価を行った。そのため、次年度では、これらの基盤に基づいた大量合成、ならびに合成した多くのサンプルの評価を数種の手法にて行わなければならず、大量の消耗品が必要となる。以上より、予算の一部を次年度に持ち越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
誘導体合成のための試薬、溶媒、ガラス器具等の消耗品、細胞培養、毒性試験に係る消耗品、ならびに制がん効果確認のためのヌードマウス等が大量に必要となるため、これらを購入する予定である。
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Research Products
(18 results)