2015 Fiscal Year Research-status Report
DNA脱塩基部位に対する特異的結合および切断分子の開発
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26860079
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
阿部 由紀子 九州大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (40586856)
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Project Period (FY) |
2015-03-01 – 2017-03-31
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Keywords | APサイト修復 / β-脱離 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度には、DNA脱塩基部位に特異的な分子への蛍光基の導入とDNA脱塩基部位への親和性向上を目的とした新規結合分子の検討および設計・合成を行った。蛍光基の導入に関しては、導入位置を考慮し、2-アミノプリンを選択した。親和性の向上を目的としたポリアミン部の変更に関しては、文献を参考に4.4-トリアミンへの変更を検討し合成した。 また、本分子のがん細胞株に対する感受性を明らかにするために、がん細胞パネル評価を行った。更に、予備検討としてA549細胞株およびCHO細胞株を用いて、本分子単独およびDNAアルキル化試薬との併用による細胞生存率の比較を行った。 これらの予備検討の結果より、本分子には細胞毒性効果はないが、DNAアルキル化剤と併用する事でDNAアルキル化剤の細胞毒性効果の増強が観察され、今後の最適な細胞株および抗がん剤の選定において重要な情報が得られた。 更に、本分子のDNA脱塩基部位特異的な切断に関する情報をまとめ研究成果を論文として国際誌に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DNA脱塩基部位特異的結合分子の基礎情報を集め解析し、新たな分子設計に役立てた。 新規結合分子の検討を行い合成に着手した。 予備検討として、がん細胞株を用いたin vitro実験にも着手した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の予定通り、新規結合分子の合成を引き続き行い、その特性評価を行う。 また、結合分子にとって最適ながん細胞株および抗がん剤を選定し、抗がん作用増強剤としての可能性を評価する。
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Causes of Carryover |
実験試薬をより安価に購入できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額も合わせて平成28年度の合成試薬および評価試薬の購入にあてる。
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Research Products
(1 results)