2014 Fiscal Year Research-status Report
降圧薬の最大降圧度および最大効果出現日数に関する情報の構築:家庭血圧に基づく検討
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26860093
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 倫広 東北大学, 大学病院, 特別研究員(PD) (70717892)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 降圧薬 / 薬効評価 / 高血圧 / アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
高血圧患者3518名を対象としたHOMED-BP研究では6年目の追加調査を継続し、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬を投与された一部の対象者について最大降圧度および最大効果出現日数を算出するにあたり、各降圧薬が追加になった日(基準日)を患者ごとに整理した。そして、基準日の前2週間および後8週間の計10週間の家庭血圧、および合併症情報(糖尿病、脂質異常症、脳血管障害、心疾患、腎疾患、その他)を抽出した。J-HOME研究では、CARD対象者70名およびALB対象者67名の追加調査を行った。降圧薬の変更状況についても調査し、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬の降圧効果を検討可能なデータセットの構築に尽力した。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬について検討したところ、家庭収縮期血圧において、最大降圧度はバルサルタンの7.9 mmHgからアジルサルタンの14.9 mmHg、最大効果出現日数はロサルタンの22.8日からイルベサルタンの6.1日と、同一系統の降圧薬であっても最大降圧度および最大効果出現日数は多岐にわたる可能性が示唆された。一方、J-HOME-CARD研究のカンデサルタン8mgが既に投与されている患者において、カンデサルタンの増量群よりも、カンデサルタンに利尿薬を追加した群で、急峻な降圧発現が認められている。降圧薬の組み合わせによっては、降圧効果や最大効果出現日数が大きく変わる可能性が考えられ、併用薬の影響を考慮する必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
追跡調査が進んでおり、多彩な解析を行う基盤を構築することが出来ている。データベースの構築が順調に進行している。また、暫定のデータでアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬の降圧効果を評価することが出来ており、今後の解析の方針を確立することが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
HOMED-BP研究とJ-HOME研究の患者データの比較を行う。患者データの異質性が両研究間で著しくなければ統合を行い、降圧薬薬効評価のための大規模データベースを作成する。既に確立した降圧効果の評価方法に基づき、迅速に成果を創出する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度請求額と合わせ、平成27年度の研究遂行に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)