2014 Fiscal Year Research-status Report
薬物動態学的アプローチに基づく経口関節リウマチ分子標的薬の個別化投与設計
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26860100
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
平 大樹 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (50636959)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 薬物動態 / 個別医療 / 関節リウマチ |
Outline of Annual Research Achievements |
トファシチニブは、新規に発売された経口の関節リウマチ分子標的薬であり、注射による疼痛や頻回の来院によるストレスを軽減できることから、患者のQOLを向上させる新たな選択肢として大きな期待がかかっている。しかし、安全性への懸念からリウマチ学会から適正使用推進に向けた要望書が出されるなど、慎重な使用が求められている。 本研究計画ではトファシチニブの個別化投与設計方法の構築を目指し、これまでの主流であった注射の関節リウマチ分子標的薬では障壁とならなかった経口投与時の消化管吸収に関与するトランスポーターの影響を明らかとすることを目指している。 初年度である本年度は高速液体クロマトグラフ(UFLC-UV)法を用いてトファシチニブの定量法を新規に構築した。また、HEK-293細胞に各種のトランスポーターを過剰発現させた細胞を構築し、それを用いて薬物輸送実験を行った。これらの結果より、本薬物の輸送に関与することが示唆されるトランスポーターの同定に成功している。 さらに、本薬剤を処方された患者を対象として、薬物血中濃度の測定および上述のトランスポーターの遺伝子多型の解析を基礎とした臨床薬物動態学的研究にも着手し、対象患者の同意取得を進めている。 本薬剤の科学的根拠に基づく投与指針の構築は実臨床においても切望されており、適正使用の観点からも、薬物動態学的アプローチに基づいた個別化投与指針の構築は重要となるため、速やかな臨床応用に向けて研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに基礎薬物動態解析の結果から関与が示唆されるトランスポーターを同定していることに加え、本年度より患者を対象とした臨床薬物動態・薬力学研究にも着手しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの達成度に記載したとおり、これまでの研究はおおむね順調に進展していることから、研究計画の変更は予定していない。次年度は患者より取得した血中濃度データおよび治療マーカーであるサイトカイン濃度の解析を通じ、本薬剤の個体間変動要因の同定を試みる。
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[Journal Article] Assessment of sunitinib-induced toxicities and clinical outcomes based on therapeutic drug monitoring of sunitinib for patients with renal cell carcinoma.2015
Author(s)
Satoshi Noda, Takashi Otsuji, Masato Baba, Tetsuya Yoshida, Susumu Kageyama, Keisei Okamoto, Yusaku Okada, Akihiro Kawauchi, Hiroyuki Onishi, Daiki Hira, Shin-ya Morita, Tomohiro Terada.
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Journal Title
Clinical Genitourinary Cancer
Volume: .
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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