2015 Fiscal Year Research-status Report
医療用医薬品を素材とする多機能性ナノデバイスを用いた革新的遺伝子医薬品の開発
Project/Area Number |
26860107
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
兒玉 幸修 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 助教 (50448510)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 遺伝子デリバリー / 医薬品 / 硫酸プロタミン / コンドロイチン硫酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療用医薬品を構成成分とするナノデバイスの開発を目的とした。昨年度までに硫酸プロタミン静注用(PRT)を構成成分とする遺伝子ベクター(pDNA-PRT複合体:PRT複合体)の開発に成功し、in vitroにおける有効性を確認した。本年度は高用量でわずかに認められたPRT複合体の細胞毒性を軽減するために、アニオン性医薬品であるコンドロイチン硫酸ナトリウム注射液(CS)でPRT複合体を被膜した三重複合体(pDNA-PRT-CS複合体:CS複合体)を調製し、有効性および安全性を評価した。
作製したCS複合体はin vitroにおいて、PRT複合体にはやや劣るものの1×107 (RLU/mg protein)を超える高い遺伝子発現を示した。また、各種エンドサイトーシス阻害剤(クロルプロマジン、ゲニステイン、アミロライド)と共存させた結果、クロルプロマジンおよびゲニステインと共存させた場合に遺伝子発現効果が低下する傾向にあった。これらの結果より、CS複合体はクラスリン介在性およびカベオラ介在性のエンドサイトーシスにより細胞内へ取り込まれることが示唆された。また、血清存在下での遺伝子発現を検討した結果、PRT複合体では遺伝子発現の低下が認められたが、CS複合体では高い遺伝子発現を維持した。さらに、CS複合体はPRT複合体で細胞毒性が認められた用量においても、毒性を示さず、高い安全性が示された。
以上のように、我々は本年度の研究によって、硫酸プロタミン静注用およびコンドロイチン硫酸ナトリウム注射液を構成成分とする遺伝子ベクターの開発に成功した。来年度は、in vivoにおける有効性および安全性評価、およびsmall interfering RNA (siRNA)への応用を試みる予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた平成27年度の研究実施計画をほぼ達成しているため、概ね順調に進展していると評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度も当初予定していた研究計画に従い研究を推進する。
|
Causes of Carryover |
キャンペーン期間に購入するなどして研究費を効率的に使用した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に配分される研究費については、消耗品および旅費として使用する予定である。また、平成27年度の繰越は消耗品に補填する。
|
Research Products
(8 results)
-
[Journal Article] Quaternary complexes modified from pDNA and poly-l-lysine complexes to enhance pH-buffering effect and suppress cytotoxicity.2015
Author(s)
Kodama Y, Yatsugi Y, Kitahara T, Kurosaki T, Egashira K, Nakashima M, Muro T, Nakagawa H, Higuchi N, Nakamura T, Sasaki H.
-
Journal Title
Journal of Pharmaceutical Sciences
Volume: 104
Pages: 1470-1477
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-