2015 Fiscal Year Annual Research Report
抗ウイルス細胞傷害性T細胞誘導剤の作用機序の解明及びその応用
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26860112
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
川野 雅章 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30447528)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ポリオーマウイルス / SV40 / ウイルス粒子 / 免疫反応 / 獲得免疫 / 細胞傷害性T細胞 / 粘膜ワクチン / がんワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究年度では、SV40以外のVLP刺激による免疫細胞集団の応答解析において、SV40 VLP刺激に特有の免疫応答が存在し、それは免疫細胞上の特定の受容体によって誘導されることを発見した。このことから、他のポリオーマウイルスVLP刺激よりもSV40 VLPが免疫細胞の獲得免疫誘導に有用であることが示唆された。さらに、SV40 VLP刺激による免疫活性化経路の全解明において、あるシグナルカイネースファミリーの阻害剤が、SV40 VLP刺激による免疫細胞の活性化を抑制することを示した。このことから、SV40 VLP刺激による免疫活性化シグナル伝達経路が、このシグナルカイネースファミリーに属することが示唆された。また、SV40 VLP刺激による抗原提示細胞 (APC: antigen presenting cell) の免疫活性化機序の解明において、樹状細胞のような抗原提示に特化したプロフェッショナルAPC以外のAPCがSV40 VLP刺激による免疫活性化に関与し、このAPCでは、SV40 VLP刺激でLPSよりもさらに強力に、ある種の走化因子を分泌することを発見した。今後は、さらに詳細にSV40 VLP刺激による免疫活性化シグナル伝達経路の解明を行い、また、SV40 VLP刺激で走化因子の分泌を強力に誘導するAPCの抗原提示活性化機構を解明する。また、SV40 VLPを用いた単純ヘルペスウイルス (HSV: herpes simplex virus) に対するワクチンの開発を行うため、SV40 VP1にHSVの細胞傷害性T細胞エピトープ、および、抗体エピトープを挿入することで、HSVワクチン用のSV40 VLPを調製した。SV40 VLPの免疫活性化機構と関連付けながら、このHSVワクチンの活性を解析し、さらにワクチン活性の高いSV40 VLPワクチンの開発へと繋げる。
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Research Products
(7 results)