2015 Fiscal Year Annual Research Report
トランスグルタミナーゼを標的とした糖尿病性腎症治療薬の開発
Project/Area Number |
26860118
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
水野 智博 名城大学, 薬学部, 助教 (40711669)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | トランスグルタミナーゼ2 / 終末糖化産物 |
Outline of Annual Research Achievements |
トランスグルタミナーゼ2(TG2)は、生体内に広汎に存在する酵素であり、タンパク質間のグルタミン残基とリジン残基との間にイソペプチド結合を形成させ、架橋化反応を触媒する。上記作用により、組織の線維化反応を助長するため、糖尿病性腎症の治療ターゲット分子の一つとされている。TG2は炎症反応が惹起された後に、増加するとされている。糖尿病性腎症の発症に関与する終末糖化産物(AGE)は、炎症性サイトカインの発現増加を促すことが知られているが、TG2の発現に与える影響については、不明であった。そこで本研究では、メサンギウム細胞および尿細管細胞におけるTG2発現機序の解明を目的として、検討を行った。前年度までの検討により、AGEは細胞内のNF-κb活性を増大させることで、TG2発現増加を促していることを確認した。本年度は、AGE受容体を介して上記反応が起こっているか否かを検討した。siRNAを用い、AGE受容体を抑制したところ、望ましい抑制効率が得られなかったため、AGE受容体阻害薬を用いた検討を行ったところ、AGE暴露によるTG2発現増加は抑制された。現在、AGEによるNF-κbのリン酸化反応に関して検討するため、AGEによる刺激時間等の検討を引き続き行っている。
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