2014 Fiscal Year Research-status Report
先端的な3Dイメージング技法によるゴルジ装置の全体像とその多様性の解明
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26860128
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
甲賀 大輔 新潟大学, 医歯学系, 講師 (30467071)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ゴルジ装置 / 3D再構築 / 連続切片SEM法 / SEM / 相関顕微観察法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では、「共焦点レーザー顕微鏡によるゴルジ装置の3D構造解析」と「蛍光イメージングと走査電子顕微鏡(SEM)像の相関顕微観察法によるゴルジ装置の立体微細構造解析」を行った。 共焦点レーザー顕微鏡によるゴルジ装置の3D構造解析:神経細胞(脊髄前角細胞や小脳プルキンエ細胞)、下垂体前葉性腺刺激ホルモン(GTH)産生細胞のゴルジ装置の全体像と、その極性(シス・トランス)の関係を解明するため、組織の厚切り切片を作製後、免疫組織化学染色を施し、共焦点レーザー顕微鏡で解析した。その結果、脊髄前角細胞のゴルジ装置は、核周囲を取り巻く発達した網状ネットワークが細胞質全体に広がっていることがわかった。また、GTH細胞のゴルジ装置は、良く発達しており、その形状が球体であることも観察することができた。さらに、球体の外側がトランスで、内側がシスであることも示すことができた。ゴルジ装置の極性は、小胞輸送経路、分泌顆粒形成機序、細胞の極性や機能を考える上で極めて重要である。本研究では、これまでの切片による断片的な情報では解析することができなかったゴルジ装置の機能を、ゴルジ装置の全体像から考えることが可能となった。 蛍光イメージングとSEM像の相関顕微観察法によるゴルジ装置の立体構造解析:凍結切片像とその隣接ブロックオスミウム浸軟像を対比観察する手法(論文投稿予定)を用いることで、ゴルジ装置のシス・トランスの構造解析を行った。具体的には、ゴルジ層板(シス槽・中間槽・トランス槽)の3D微細形態について、神経細胞やGTH細胞のゴルジ槽の共通性と相違について解析した。その結果、トランス槽の微細構造は、細胞種によって多様であることが明らかになった。この手法を用いることで、これまで解析が困難であったSEMによるゴルジ装置の極性を明確に示す共に、その3D微細構造の解析も可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、先端的な3D技法を駆使して、光学顕微鏡レベルと電子顕微鏡レベルを結びつけたゴルジ装置の立体微細構造解析を行うことを目的としている。平成26年度の研究では、上記の目的を達成するため、共焦点レーザー顕微鏡によるゴルジ装置の3D構造解析と蛍光イメージングとSEM像の相関顕微観察法によるゴルジ装置の立体微細構造解析を行った。順調に計画が遂行されており、次年度の新たな段階の研究を進める状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
SEMによる超薄連続切片像の3D再構築法を確立し、ゴルジ装置の高分解能3D構造解析への応用を試みる。平成27年度は、①ゴルジ装置の3D構造解析に有効な試料作製の検討、②免疫電子顕微鏡法の応用、③ゴルジ装置の3D再構築模型の作製と解析について検討しながら、ゴルジ装置の3D再構築に適切な手法の確立と解析を行う。
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Causes of Carryover |
平成26年度の経費は、全て年度内に使用したが、3月の物品購入の支払いが平成27年度(4月)になったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品購入等の納品検収は当該年度に完了し、4月に支払いが完了している。
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