2015 Fiscal Year Annual Research Report
胸腺上皮細胞異常による自己免疫病の免疫組織学的解析
Project/Area Number |
26860138
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
沢登 祥史 獨協医科大学, 医学部, 助教 (40525052)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 胸腺上皮細胞 / 胸腺 / 免疫寛容 / 自己免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、前年度までに得た知見である「ラット、マウス髄質胸腺上皮細胞は活性の高い集団であるmTEC1および低い集団であるmTEC2に分かれる」「シクロスポリン投与下ではmTEC1が優先的に減少し、これが免疫寛容を破綻させシクロスポリン投与ラットにみられる同系統動物間GVHD惹起のメカニズムである可能性が高い」を発展させるため、mTEC1、mTEC2それぞれの表面分子のさらに詳細な解析を行った。すなわちmTECの成熟に従い発現することが知られているCD40、CD80、Involucrinの発現を多重免疫染色にて検討した。CD40とCD80はmTEC1、mTEC2の双方に発現しており、mTEC2が単純に未成熟なサブセットとは言えないことが明らかになった。またハッサル小体は近年成熟mTECが終末期に入り形成する構造体であることが明らかになっているが、これはED18+ED21-でありmTEC1との共通点が大きかった。多重免疫染色で得られた結果を定量的に解析するためのフローサイトメトリー解析を行うため、細胞の調整および染色メソッドを探索中である。 一方で、ヒト胸腺サンプルも獨協医科大学胸部外科の協力の下入手し、ED18およびED21交代を用いた染色を行った。ラット、マウスとは大きく異なり、ED18とED21は殆どパラレルな染色を示し、MHC II陽性細胞、陰性細胞の双方に分布することが明らかとなった。
以上の結果を発展、統合し、自己に対する免疫寛容が破綻した状況下でのmTEC1およびmTEC2の役割と振る舞いについての報告を平成28年度中に投稿するべく、研究を続行中である。
|