2015 Fiscal Year Annual Research Report
水晶体細胞膜のチャネル及び細胞接着の役割を担うアクアポリン0の機能制御機構の解明
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26860149
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中澤 洋介 慶應義塾大学, 薬学部, 助教 (60411708)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | チャネル / 白内障 / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、水晶体特異的な水チャネルであるアクアポリン0 (AQP0) の物質透過能および、細胞接着能について検討した。 ①物質透過能解析: AQP0を恒常的に発現させたL細胞(L-AQP0)および、アフリカツメガエルの卵母細胞を用いて検討した。その結果、AQP0は水だけではなくアスコルビン酸を透過することが明らかとなり、また細胞内へのアスコルビン酸輸送は、アスコルビン酸濃度依存的、あるいはアスコルビン酸暴露時間依存的であることが明らかとなった。さらにAQP0の物質透過能の変化について検討した結果、AQP0のC末端領域で相互作用するフィレンシンによって抑制的に制御されることが明らかとなった。 ②細胞接着能解析: CellTracker RedおよびCellTracker Blue試薬を用いてflow cytometerにて細胞接着能を検討した。その結果、L-AQP0とベクターコントロールあるいは、L-AQP0とAQP1安定発現L細胞の間で接着は認められなかったが、L-AQP0同士の組み合わせでのみ接着細胞が観察された。またGST pulldown法を用いて結合部位の検討を行った結果、AQP0同士の結合には、細胞外ドメインであるC-loop領域が必要であることが明らかとなった。 本研究で、AQP0の物質透過能特性と細胞接着能特性を明らかにすることができた。今後AQP0を標的とした新規抗白内障薬の創生を目指す。
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Research Products
(5 results)