2016 Fiscal Year Research-status Report
低浸透圧条件下におけるバソプレシンの分泌抑制メカニズムの解明
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26860153
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
沼田 かお理 (佐藤かお理) 福岡大学, 医学部, 特別研究員(PD) (60614196)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バソプレシン / 低浸透圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット・バソプレシン(AVP)ニューロンの低浸透圧条件下で容積調節能に重要な役割を担う容積感受性外向整流性アニオンチャネル(VSOR)の研究に関連して、昨年度LRRC8AがVSOR活性の重要な要素である事を報告したが、これの追加実験としてLRRC8ファミリーを複数抑制した時のVSORの電流や、電流の不活性化キネティクスへの影響について実験を行った。その結果、複数のLRRC8ファミリーを抑制した場合は、LRRC8C、または8Dを抑制するとVSORの電流が有意に抑制されることを明らかにした。これらの結果を基に、VSORのLRRC8AとLRRC8C/Dを含むポアドメインの仮説モデルを提唱した(Sato-Numata et al. Channels, in press 2017)。一方、酸感受性外向整流性アニオンチャネル(ASOR)について、2016年の論文でASORはVSORではない事を報告したが、それに関連し、LRRC8ファミリーを抑制した時のASORの電流や、電流の活性化キネティクスへの影響について実験を行った。その結果、ASORにおいては、LRRC8ファミリーを単独、あるいは複数抑制しても電流や活性化キネティクスに全く影響がなかったことから、ASORはVSORと全く異なる分子構造であると結論付けた。 AVPニューロンの低浸透圧条件下における発火活動において、平成26年度にGABAAレセプターとGABABレセプターが発現している事をシングルセル・RT-PCR法で明らかにしたが、それに関連して、GABABレセプターが、タウリン暴露による自発的発火活動の抑制に影響しているかどうかについて、ナイスタチンパッチクランプ法を用いて実験を行った。その結果、タウリン暴露時に見られる自発的発火活動にGABABレセプターは関与していない事が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年5月から平成28年9月まで産前・産後休暇、及び育児休暇を取得し、5ヶ月間に渡って研究を中断したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に行う予定であり、産前・産後休暇及び、育児休暇により遅延していた内容について研究を遂行する予定である。
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Causes of Carryover |
平成28年5月から9月まで産前・産後休暇、及び育児休暇により5ヶ月間研究の中断を余儀なくされた。また、10月と11月は、短時間勤務の体制をとっていた為、研究を当初の予定通りに進めることが出来なかった。そのため、研究中断期間中に使用する予定であった試薬等の購入費が未使用になり、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に行う予定であった研究計画のうち、平成284年度中に行えなかった内容について、研究を遂行する予定である。そのために必要な、物品、特に試薬の購入に未使用額を使用する。
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Research Products
(2 results)