2014 Fiscal Year Research-status Report
KCNQチャネルの小脳での役割を脳スライス電気生理と行動実験で包括的に解明する
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26860154
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
入江 智彦 国立医薬品食品衛生研究所, 薬理部, 主任研究官 (20546551)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 活動電位 / 神経細胞 / イオンチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
KCNQチャネルが小脳神経細胞で果たす生理学的役割を神経細胞レベルで解明するため、KCNQの阻害剤を用いて、電気生理学的特性への影響を検討した。具体的にはマウス小脳より新鮮脳スライスを作成し、パッチクランプ法を用いて電位固定下で細胞膜の興奮性への阻害剤の影響を記録・解析を行った。KCNQチャネルは電位依存的な不活性化が無く、静止膜電位付近の-60mVでも約10%開いている。そこで、電流固定下で膜電位を連続的に記録を行うと同時に、KCNQ阻害剤を脳スライスチャンバー内に灌流投与した。その結果静止膜電位の変化(~数mV)が観察された。通電刺激により誘発される活動電位へのKCNQチャネルの関与を同様の方法で検討した。ランプ波型の通電刺激により膜電位を脱分極させて活動電位を誘発し、阻害剤を投与した。阻害剤により活動電位の発生頻度は低下した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は平成26年度が初年度であり、今年度から本格的に実験を開始した。その中で実験計画に記載した内容の実験を実施し、有用なデータを取得する事が出来た。したがっておおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は阻害剤に加えて、KCNQの開口剤も併用して実験を進める事で、より確かな実験を行う方針を考えている。また、KCNQチャネルの神経細胞における局在を検討するために、免疫染色法による局在検討と、薬物の局所投与(ガラスパイペットによるパフ投与)を行いたいと考えている。これにより、KCNQチャネルの小脳神経細胞における機能意義を解明したい。
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Causes of Carryover |
学会出張予定を取りやめた、使用する試薬をより安価なメーカーから調達するなどを行った結果、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
薬物パフ投与を行うために、新規にマイクロマニピュレータ(MP-385、米国Sutter社製、100万円)の購入を計画している。これ以外にはKCNQ開口剤や実験に使う動物の購入、学会出張旅費などへの使用を計画している。
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