2015 Fiscal Year Annual Research Report
間葉-上皮転換における転写因子の役割とその機序の解明
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26860192
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
関谷 明香 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (10645633)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 転写因子 / 細胞 / リプログラミング / MET / 肝臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はダイレクトリプログラミング法を用いてマウス皮膚線維芽細胞から肝細胞の性質を有する細胞(iHep細胞)へ変化させることに成功した。間葉系細胞である線維芽細胞はHnf4αとFoxa(Foxa1、Foxa2、Foxa3のいずれかひとつ)という肝細胞分化に関連した2種類の転写因子を導入することで、上皮細胞であるiHep細胞へと変化する。本研究は、iHep細胞作成過程に見られる間葉-上皮転換(MET)というダイナミックな変化と転写因子の関わりを明らかにすることを目的として行った。 本研究では、まずiHep細胞の作製過程を詳細に解析し、METの誘導とその時間的変化を明らかにした。そして次に、iHep細胞の誘導因子導入にともなう遺伝子・タンパク質発現解析を行い、MET関連因子群の発現上昇、並びにEMT関連因子群の発現低下を明らかにし、iHep細胞誘導因子の標的候補を複数同定することに成功した。今後、iHep細胞誘導因子の標的候補についてさらに解析を進めることで、iHep細胞誘導にともなうMETの実態解明が進むと考えられる。
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