2014 Fiscal Year Research-status Report
メダカを用いた臓器に特有な形態と適切なサイズを制御する分子機構の解明
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26860197
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
殿山 泰弘 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, プロジェクト特任講師 (20467393)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 器官形成 / 新規遺伝子 / 機能解析 / ゲノム科学 / メダカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画調書に記載した通り、本研究の主な目的は、これまでに実施されたモルフォリノアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いたノックダウンスクリーニングにより同定された遺伝子(KAO-0185、KAO-0041)の機能解析を進めつつ、器官形成過程に関わる新たな遺伝子の探索を行うことである。上記の計画に沿って、2014年度は、KAO-0041およびKAO-0185のメダカ発生過程における発現パターン及び局在を明らかにした。さらに、上記の遺伝子の細胞内局在も明らかにして、所属学会にて発表し、得られた結果について議論を行った(第47回日本発生生物学会、第66回日本細胞生物学会、第20回小型魚類研究会、第37回日本分子生物学会)。一方、未発表の成果としては、TALENおよびCRISPRによるKAO-0185変異体を取得したことに加えて、酵母ツーハイブリッド法によって細胞内局在と矛盾しないKAO-0185の相互作用分子を同定することができた。また、KAO-0185については、細胞密度により細胞内局在や相互作用分子が劇的に変化することや細胞分裂の際に非対称に分配されるという幹細胞の増殖・分化制御への関与を強く示唆する興味深い結果も得られた。 さらに、研究計画調書には記載されていないが、現在リストアップしているヒトカオナシ遺伝子について、福島県立医科大学の森努准教授が開発した遺伝子機能予測ツールによる大型計算機を用いた大規模機能予測を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書に記載した通り、これまでに機能解析の対象となった遺伝子について、分子レベル、細胞レベル、個体レベルの観点から、機能解析を進め、発現局在、細胞内局在、相互作用分子、機能抑制変異体の取得を達成した。その結果、KAO-0185が細胞の増殖・分化制御に関わることが示唆された。これは、本研究が本来、探し求める結果であり、極めて興味深い結果が得られたものと考えている。しかしながら、マイクロアレイ解析による新規遺伝子の探索については未だ眼形成に関するものしか実施していないため、この自己評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
KAO-0185について、分子レベル、細胞レベル、個体レベルの各々の観点から詳細な機能解析を進める。また、マイクロアレイ解析に向けて特定の器官形成に関与する変異体を作製する。先述の福島県立医大の森努准教授によって開発された遺伝子機能予測ソフトによる大規模遺伝子機能予測については、当初の計画にはなかったが、約1000種類もあるカオナシ遺伝子の中から、器官形成や特定のシグナル伝達経路に関わる遺伝子を予測するためには、極めて有効な手段であると考えられるため、今後も精力的に進めることとする。
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Causes of Carryover |
既に機能解析の対象としている遺伝子の解析を中心に進めたことにより、マイクロアレイ解析を用いた新規遺伝子の探索を未だ実施していないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マイクロアレイ解析を次年度以降に実施する。
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