2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26860198
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
KARIM MD.REZAUL 同志社大学, 研究開発推進機構, 特別研究員 (80646927)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脂肪代謝 / 転写因子 / ショウジョウバエ / 遺伝学 / 免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
ストレス応答型の転写因子Nrf1とNrf2(以下、Nrf)が、新たに脂質代謝を制御していることが明らかにされている。しかし、その詳細な制御メカニズムの解明は、マウスを用いた解析系では限界を迎えつつある。そこで本研究では、スピーディーに詳細な遺伝学的解析が可能であるショウジョウバエを用いて、NrfオルソローグであるCncCによる脂質代謝制御の全容を解明する。本研究期間では、以下の点について解明することができた。 1) Nrf1とNrf3が持つ小胞体アンカードメインが、CncCのアミノ末端に存在する。このドメインを欠失させるとCncCの転写因子としての機能が活性化することが分かった。この結果は、本ドメインがショウジョウバエから高等生物において機能的に保存された抑制ドメインであることを示す。 2) 上記抑制ドメインを欠失させた変異遺体CncCΔNをショウジョウバエのFatbodyに過剰発現させると、脂肪が減少することが分かった。 3) CncCが制御する脂肪形成に関わる遺伝子を同定するために遺伝学的スクリーニングした結果、メタロプロテアーゼInvadolysinがCncCと遺伝学的相互作用することがわかった。 4) CncCΔNの過剰発現により脂肪形成が減少するメカニズムを解明するために、CncCΔNが発現制御している遺伝子をマイクロアレイにより探索した結果、免疫関連遺伝子を見出した。この結果は、脂肪形成と免疫系が機能連関している可能性を示す。
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