2015 Fiscal Year Annual Research Report
Vasohibin-2アンチセンスオリゴヌクレオチドによる肝臓がん治療法の開発
Project/Area Number |
26860205
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀江 佐知子 東北大学, 加齢医学研究所, 産学官連携研究員 (90451640)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | がん / Vasohibin / アンチセンスオリゴヌクレオチド / 肝臓がん / DDS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は実験的肝臓がんモデルを用いてVasohibin-2 (VASH2) に対するBNAアンチセンスオリゴヌクレオチドの生体への効率的な遺伝子導入法を開発し、VASH2ノックダウンによる肝臓がんに対する抗腫瘍効果を明らかにすることである。 平成26年度は原発性肝がんマウスモデルおよび大腸がん肝転移マウスモデルを作製し、アンチセンスオリゴヌクレオチドの導入濃度とタイミングを決定した。本年度は、前年度に作製に成功した原発性肝がんマウスモデルおよび大腸がん肝転移マウスモデルと最適化した実験方法を用いてVASH2標的BNA修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドによる肝がんに対する抗腫瘍効果を評価した。VASH2標的BNA修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドによって (1) 肝臓がん組織のmRNAレベルでのVASH2の発現は投与後2日目に一過的に減少すること、(2) 腫瘍内血管密度および血管数には影響を及ぼさないこと、(3) VASH2発現抑制によってがん細胞の上皮間葉転換マーカーの遺伝子発現mRNAレベルで変動すること、(4) がん組織に免疫細胞(M1マクロファージおよび好中球)が浸潤することから①他肝葉でのがん細胞の生着が抑制されること、および②腫瘍生育が抑制されることが解明された。他臓器への転移は本マウスモデルでは誘導されないことから、他臓器への転移抑制効果は確認されていない。 本研究で取得したデータは臨床応用を直接目指すうえで極めて重要なデータである。
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Research Products
(7 results)