2015 Fiscal Year Annual Research Report
正常腸組織および大腸がんにおけるガレクチン4の機能解析
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26860213
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
小川 崇 香川大学, 医学部, 助教 (80405018)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ガレクチン / 腸 / 大腸がん |
Outline of Annual Research Achievements |
ガレクチンは、b-ガラクトシドに特異的に結合するレクチンファミリーである。哺乳類では現在までに15種の遺伝子が同定されており、上皮機能、分化、腫瘍など様々な現象への関与が示唆されているが、詳細は不明である。ガレクチンファミリーの中でガレクチン4 は消化管に主に発現し、特に腸に多く見られる。実際、ガレクチン4は正常腸組織で多く発現しているが、がん組織においては発現が減少する。特に、浸潤性の大腸がんでガレクチン4の発現がほとんど見られないことから、腸の恒常性維持に関与している可能性が考えられる。そこで、ガレクチン4を発現していない大腸がん細胞株である、HCT116にガレクチン4を強制発現させ、ガレクチン4を発現している大腸がん細胞株であるCW2やHT29にsiRNAを導入しガレクチン4の発現抑制を試みた。その結果、ガレクチン4は大腸がん細胞の増殖を抑制することを明らかにした。また、ガレクチン4強制発現細胞をヌードマウスに接種すると、コントロールに比べて顕著に造腫瘍性が抑制されることを明らかにした。そこでガレクチン4結合分子の探索をおこなったところ、ごく最近、Gal4はあるタンパク質(プロテインX)に結合することを明らかにした(未発表)。このタンパク質にGal4が結合することで細胞の増殖を抑制することが推測される。現在、この結合タンパク質とGal4の結合部位の同定をおこなうために糖鎖特異性の変化をおこす変異を入れたガレクチン4を作製しており、これらを用いてプロテインXへの作用機構を含めたGal4の大腸癌抑制機構の解明を目指す。
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Research Products
(4 results)